心理的所有感について

日常生活の中で、特定のモノに対して愛着を感じる自分がいます。自分の家であったり、愛車、お気に入りの洋服、大切にしているアイデアなど、法的な所有権の有無に関わらず、自分のものだと感じるものがあるのではないでしょうか。この感覚を心理学では「心理的所有感」と呼んでいます。マーケティングの領域で用いられる言葉のひとつです。特徴的なのは購入後のモノだけでなく、購入前のモノに対しても心理的所有感が発生するところです。

心理的所有感psychological ownership)とは
対象に対して人が形成する所有感覚のことである(Pierce,Kostova, and Dirks 2001)

https://kwansei.repo.nii.ac.jp/record/29115/files/2.pdf

特徴

心理的所有感とは、ある対象物を自分のものだと感じる感覚のことで、いくつかの特徴があります。
①自分と対象物の結びつきを感じること
②特定の物や場所、アイデアなどに愛着や親しみを覚えること
③自分の一部のように感じること
④対象物をコントロールできると感じること
などです。
幅広い概念だと感じます。
他にも、当然ですが所有感があるので、対象物を手放すことに抵抗を感じますし、失えば悲しみや怒りの感情を覚えるのも特徴です。

ビジネスへの応用

この心理的所有感をビジネスに応用するとなれば
・企業と従業員の関係性において
活用できます。
顧客が企業を支持し、ブランドを愛し、あたかも自分が所属しているブランドのように感じることは心理的所有感のひとつです。

スタッフも顧客と同様です。働く場所や自分たちのビジネスに対して心理的所有感を持つことが、モチベーションや生産性の向上につながると考えられています。自分の仕事に誇りを持ち、会社の一員であることに喜びを感じることで、より積極的に働くことができるのです。

ただし

ただし、心理的所有感は深い感情が入り込んでいるので、裏切ることになると失墜します。所有感が一気に失われてしまうことになります。所有感という「自分のもの」という意識が入り込んでいる分、期待値も高いと考えるべきでしょう。

他にも、独占欲につながる恐れもあります。自分だけのものにしたいという気持ちが強いと口コミになりません。ひとりだけで楽しむ領域にとどまることも想定しておくことになります。

まとめ

心理的所有感は、抽象的な心理ですが、なんとなく理解できると思います。自分の中にも心理的所有感があることに気がつくのではないでしょうか。この抽象的な概念をビジネスに応用できると成果につながります。単にブランド構築だけでなく、マーケティングの他の面でも応用できると感じます。

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