fjconsultants Blog:4,509投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆

17年ぶりに改訂されたハザードマップ

富士山のハザードマップが2021年3月に改定されています。
https://www.pref.yamanashi.jp/kazan/documents/samary.pdf
前回の改訂は2004年度でした。
17年ぶりの改定です。

今回は想定範囲が広がっています。
想定が広がった理由は、富士山噴火の過去を調べると、より大きな被害が出ていた噴火の過去がわかったからです。

富士山ハザードマップ


具体的に見ていきます。
富士市までハザードマップが広がっており海岸まで想定されています。(大規模溶岩流ドリルマップ)
https://www.pref.yamanashi.jp/kazan/documents/088-098.pdf
富士市は製紙メーカーの工場が多数あるエリア。BCPが必須のエリアだと感じます。
沿岸部には到達時間がかかる(最大で57日)ので、対応する時間が限定ですがあるようです。
しかし、到達してしまったら仕事はストップしてしまう。
街消滅という恐ろしいシミュレーションもしなければならないのかもしれません。

神奈川県も範疇に

今回の特徴は神奈川県までハザードマップを設定したことです。
小田原市と相模原市。
この2つのエリアが新しく設定されました。
溶岩が流れ着く恐れがあるのです。
相模原市には富士吉田〜大月を通って中央高速道路沿いを下って行きます。
高速道路は飲み込まれるかもしれません。
小田原市へは、御殿場経由で到達していきます。

エネルギーを溜め込んでいる

ハザードマップの範囲が広がり、今回の富士山噴火が大きいことが理解できます。
溜め込んでいたエネルギーが大きくなっている予想なのです。
前回の噴火は200年周期でした。
今回は前回より300年噴火していません。
溜め込んだエネルギーは大きいと考えるのが妥当です。

富士山は、1707 年(宝永4年)の噴火後、300 年以上噴火活動は見られないが、平成 12年 10 月から平成 13 年5月にかけて、低周波地震が多発するなど改めて活火山であることが再認識された。

http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/e-quakes/shiraberu/higai/fujisan/documents/02fujisanhinankeikaku_no1.pdf

通信不能になる可能性もある

噴火による火山灰により電子機器が不能になることも想定されています。
ネット環境から通信環境が止まることも考えられます。
電話がつながらない、ネットがつながらない状況。
これが現実になるならば、準備なしでは簡単にクリアできないと感じます。

考えられるのは、
①オンライン(テレワーク)で仕事する、生活する
②エリアを移動する
2つの選択肢。

①の場合、通信環境が閉ざされたら何もできません。
残るは②の移動。
移動して仕事する、生活するのは短期間なら可能。
ただ準備がなければ、完全な仕事をする環境は整えることができないでしょう。
そのためにも、バックアップ拠点をつくっておくのは有効な手段。
生活のバックアップ、仕事場のバックアップを準備しておいて損にはなりません。

まとめ

BCP(事業継続計画)を策定は重要な計画ですが緊急度が低いので準備不足のことがあります。
それならば、具体的に考える前に頭の中で想像だけでもしておきましょう。
・何が止まるのか
・何ができなくなるのか
それだけでも想像しておけば対処法はすぐに見つかります。
移動できなくなったら、通信手段がなくなったら、情報が入手できない状況になったら、と頭にイメージするだけ。
そこから、必要なもの、準備しておく災害用品がわかってきます。
購入できるモノは買っておく。
災害が発生してからは買うことはできません。
購入希望者が殺到することと、災害用品は在庫が少ないからです。
なのでできることなら、買っておきたいのです。
こうした行動は、まわりから見たら心配症くらいで普通だと考えることです。