fjconsultants Blog:4,552投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
経済財政運営と改革の基本方針が決定
「経済財政運営と改革の基本方針2021」が6月18日に閣議決定されました。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2021/2021_basicpolicies_ja.pdf
現政権では、しっかりとした内容を初めて打ち出したことになります。
内容が抽象的ではないか、という意見も出ているようですが確認していきます。
4つの原動力
その中で、4つの原動力という柱が提示されています。
今回は、4つの原動力のうち、「3、⽇本全体を元気にする活⼒ある地⽅創り〜新たな地⽅創⽣の展 と分散型国づくり〜」を取り上げてみます。
地⽅への新たな⼈の流れの促進
注目は、「転職なき移住」の実現。
ようするに地方でのテレワークの拡充。
拡充のためのサテライトオフィスの整備をしていく方針です。
活⼒ある中堅・中⼩企業・⼩規模事業者の創出
生産性向上に取り組む中小企業に思い切った支援をする。
そう明言しています。
思い切った、という表現が注目です。
生産性向上については、当初から掲げているので結果を出したいのだと感じます。
賃上げを通じた経済の底上げ
ここでは、賃上げが掲げられています。
これも当初から掲げていますが、実現の具体策はありません。
時給1,000円を目指す、としています。
観光・インバウンドの再⽣
観光関連の従事者は900万人。
自動車産業が500万人と言われているので、1.8倍。
多いですね。
地方では、観光関連の割合が大きく、観光客が来てくれないと成立しません。
GO TOキャンペーンの予算が残っているので、どこで再スタートするのか業界では期待しているのではないでしょうか。
輸出を始めとした農林⽔産業の成⻑産業化
農林水産業を成長産業と位置付けています。
しかし、国内は人口減少なので、輸出を拡大する方針です。
とは言っても、ハードルは高そうです。
スポーツ・⽂化芸術の振興
今年の目玉は延期しているオリンピック。
無事に終了することだけだと思います。
スマートシティを軸にした多核連携の加速
「スマートシティを2025 年度までに 100 地域構築する」の部分が注目に値します。
全国で政令指定都市が20。
人口100位となると、25万人程度の市町村になるので、その辺りまでスマートシティの候補になる可能性があります。
思い切った目標設定だと感じます。
分散型国づくりと個性を活かした地域づくり
分散型とありますが、抽象的な内容で具体性は見えてきません。
現状、地方自治体は予算が限られており、個性を活かした地域づくりにはハードルが高いのではないかと思います。
まとめ
基本方針を見て、当初の流れのままであったり、思い切った目標設定をしている部分もあり、理解しておくと経営の決断に有益だと感じます。