fjconsultants Blog:4,615投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆

実務経験

建築工事の資格の中に「施工管理技士」という国家資格があります。
建築工事の管理をするための資格。
1級と2級の2種類があります。
1級については、「大学の建築系学科卒業の場合3年以上の実務経験、建築学科以外の場合は卒業後4年6ヶ月以上の実務経験」が必要となります。(第二次検定の受験資格として)
現在、大手企業で500人以上が実務経験を満たしていないことが明らかになりました。

資格を返上すると発表しています。

発生原因

なぜ、このようなことが発生するのか。
実務経験については、受験時に年数を記入し、証明者の印鑑が必要となっています。
しかし、調べることはありません。

そのため、虚偽記載が発生しているようです。
下記Webページにも虚偽記載による取り消しが増えていると書かれてあります。

近年、実務経験証明書の虚偽記載等により、受験ができなかったり合格後に合格を取り消される例が増えています。
不正受験(申請書・証明書の虚偽記載等)が明らかとなった場合には、受験の停止や合格の取消しが行われますので、次の点にご注意の上、受検申請を行ってください。
受検申請書の「実務経験内容」及び「実務経験年数」等については、受験者自身が記入・確認の上お送りください。
実務経験証明書の証明者は、実務経験証明書の内容等を正確に確認の上、証明を行ってください。

https://www.jctc.jp/exam/tyuui1

調べられないことを知っているので、虚偽の記載をしてしまうのでしょう。
もしくは、合格後に経験を積めば良いと考えているのでしょうか。

まとめ

資格が存在する理由は様々ですが、建築関係に限っては建築後に不正が発見できないので、資格が設けられていると思っています。
見えない部分が多いのです。
隠れてしまうので建築の不正が発生しやすい。
そのため資格者が管理するよう求めているのです。

実務経験年数を必要としているのも資格の品質を考えてのことです。
知識だけでなく、実務経験を積んで現場を知っている人が取得できる資格にする。
資格をつくったときに考えられた意図があるはずです。

こうした内容のことが表に出てくる時代になりました。
他にもまだ出てきそうです。