市場を牽引する世代とは

景気後退時期、景気回復時期には特徴があります。消費が冷え込むと表現されますが全員が冷え込むわけでもありません。その中でも消費を牽引する世代があるのです。どの世代が市場を牽引する時期がはやいのかわかりますか。今回は景気停滞時期における消費を牽引する世代について考えてみたいと思います。シニア世代を複数の側面から考えてみたいと思います。

シニア世代はどこに向かっているのか

シニア世代がエンディング(終活)に取り組む人が増えた、という記事が目につきました。本当でしょうか。外出が減り、エンディングについて考える時間が増えたとは思います。エンディングを考えるようになった人が増えていることには否定しません。しかし、シニア世代はエンディングだけに興味があるわけではありません。2025年問題という後期高齢者の急増はエンディング市場が拡大するという期待がありシニア世代がエンディングについて向かっているという記事が出てきていると思いますが、そのまま信じるとまちがいます。判断をまちがえてしまいます。

経験が価値観を決めている

人は価値観を持ち続けます。特に10代20代の経験値が価値観を形成しています。後期高齢者になる団塊の世代の方の価値観形成時期を振り返れば現在の行動意図が理解できます。決してエンディングに向かっている人だけではないのがわかるはずです。逆もあるのです。

団塊の世代の方は、逆境に強い、逆境に立ち向かう精神を持っている人の割合が高いのも特徴です。そのように表現されています。学生時代は学園闘争でした。先日もあさま山荘事件から50年が経ったとニュースが流れたと思います。象徴的なできごとですし、またあさま山荘事件から50年経ったというニュースを見て当時のことを思い出す人も増えるでしょう。その当時の気持ちも再度出てくるかもしれません。

団塊の世代の方の中には、当事者意識が強く自分が日本を変えると思っている人も多いのではないでしょうか。自分が何とかする、解決する、支えになるという意識も強いと感じています。その意識が消費にもあらわれ始めています。実は2021年の段階で消費意識の回復力はシニア世代は高いですし、2019年の意識と同じまで復活しているのも事実です。

最近でもシニア世代、特に70代の方が消費に対して行動しているのが顕著に出ているのを目撃しました。背景にある価値観を知っていたので納得がいきました。まだ現役なのです。意識は現役でありエンディングより現役意識の方がウェイトが大きい方がいる世代でもあります。絶対数が多いので割合は少ないかもしれませんが人数としては多く見えてしまうでしょう。

まとめ

景気後退から復活する時期を牽引するのは業界によっては後期高齢者かもしれません。その点を見誤らないようにしたいです。様々な方がいるのは当然ですが、ある一定層の方が向かっている方向性の種類はつかんでおきたい。その先回りをするのが経営です。

——————————-
ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,788投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆