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また、起業のハードルが下がっていく

ビジョン公開

一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)が発表したスタートアップ躍進ビジョン。本気の内容で長文です。どうして日本ではスタートアップが少ないのか、起業家が育たないのかについて課題と解決を提案しています。

まずスタートアップの定義。スタートアップ企業については成功した経営者を取り扱うことが多く、スタートアップ企業自体の存在意味については理解を得られていないと感じます。その点もキッパリと「社会課題の解決」「イノベーションを生む仕組み」として最も優れていると断定しています。この点を理解しておかなければ単なる金儲けの手段というレッテルを貼られたままになってしまいます。

現在の世の中の便利さはスタートアップ企業がリリースしてきたサービスや商品によってもたらされています。その事実を振り返る機会が少ないのがここでは課題だと感じます。

この30年、どの企業がわたしたちの生活を劇的に進歩させたかを振り返るだけで明らかな通り、社会課題の解決やイノベーションを生む仕組みとしてスタートアップは最も優れたスキームのひとつである。

https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/024_honbun.html

生産性が高い

スタートアップ企業の中にはベンチャーキャピタル(通称:VC)から支援を受けている場合があります。外部からの支援なのでお互いの関係性に緊張感があります。スタートアップ企業においても説明義務が発生するからです。その結果、VCから支援を受けた企業は生産性が高く、研究開発の効果も高いことがここでは示されています。

法人である会社は、株主、経営者、従業員という3者の適切な緊張感によって正常に動くよう設計されています。株主と経営者が兼任の場合には適切な緊張感が維持できないケースがあり、生産性が研究開発のスピードアップせず、スピードが変わらないことを示しているようにも感じます。

ベンチャーキャピタル(VC)による支援を受けた企業は平均よりも1.6倍生産性が高いことや、R&Dのイノベーション波及効果が一般企業の9倍である

https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/024_honbun.html

10倍10倍

この提言のゴールは起業数を10倍の10万社にし、ユニコーン企業の数も10倍の100社を目指します。かなり大幅な増加を提言しています。

5年後(2027年)までにスタートアップの裾野、起業の数を10倍にするとともに、最も成功するスタートアップのレベルも10倍に高める

https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/024_honbun.html

 裾野=起業の数を10倍にする

スタートアップ企業の数を10倍にするために、スタートアップ企業への投資額も10倍の10兆円と数値を掲げています。日本のVCによる投資額は米国と比較すると桁が違うくらい少ない。以前調べたときの2019年データでは、未上場企業への投資金額は日本が3700億円に対して米国は20兆円でした。そう考えると大幅な投資をスタートアップ企業にしなければ到達しないのがわかります。

・スタートアップの数を10倍=約10万社に

・スタートアップへの年間投資額を10倍=約10兆円に

https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/024_honbun.html

起業に関する意識調査

起業に関して気になった内容は下記の「起業に関する意識調査」です。とにかく、まわりに起業家の知り合いがいない、接したことがない、スキルもないことがわかります。起業に対するイメージも良くはないのも事実。派手な成功者イメージをメディアがつくり上げているのも要因でしょう。堅実に経営をしている起業家を知る機会が少ないことは改善したいポイントです。

「起業に関する意識調査」 における日本の順位 (2021年)起業に関する意識調査 日本の順位 (2021年)
・直近2年以内にビジネスをローンチした起業家の知り合いがいるか:47ヶ国中47位
・住んでいる地域で起業に適した機会があるか:47ヶ国中47位
・起業するために必要な知識・スキル・経験を持っているか:47ヶ国中47位
・3年以内に事業を開始する意思があるか:47ヶ国中46位
出所: GEM Global Entrepreneurship Monitor 2021/2022 Global Reportより和訳

https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/024_honbun.html

まとめ

起業するというのは、個人が起業するパターンだけではありません。現在の会社から分社化したり、MBO(Management Buyout)のパターンもあります。ホールディングス化も認められているので、会社をつくる、M&Aをするのはスムーズになりました。新規事業を新会社をつくって試すパターンもあります。

個人でも同様です。会社に所属するだけが選択肢ではなくなりました。副業OKの企業が増えています。そうなると法人をつくることも視野に入ってくるのです。

企業のハードルは年々下がっていくでしょう。起業する経験やノウハウは後に役に立つ内容なので、法人をつくるプロセスは知っておいて損はありません。

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,810投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆