いい人になるか怒る人になるのか50代
いい人か怒る人しかいなくなる世代。それが50代です。自分もそこに入っているので遠慮なく言いますが、いい人というのは単に下の年代から嫌われたくないのでいい人を演じている人のこと。何か相談されると厳しいことは言わず、必ず相手の意見を尊重する。尊重する姿勢を見せながらOKを出しているだけの人です。そのためスタッフは「しんどいです」と相談しに行き、楽になろうと考える人が増える傾向にあります。
過去にこんなことがありました。
仕事を習得しなければならない入社数年目の方が自分のために行っているスキル訓練がしんどいと新リーダーに吐露したのです。新リーダーは自分の手柄にしたいのか、スキル訓練を止めてしまいました。
それから数年が経っていますが、そのときに身につけられなかった技術が今でも習得できておらず、余計しんどい状況に追い込まれています。当時は楽になったので意見を尊重してくれた上司がありがたいと感じたでしょう。しかし、今となっては後悔しかありません。
あのときやっておけば、と感じています。
現状維持思考からきている
嫌われなくないという感情が先行する50代の思考は現状維持です。自分の成長も止めてしまっているので、まわりにも成長してほしくないのです。
しんどいと言われれば即座に受け入れて、「それなら止めよう」ともっともらしいことを言ってしまいます。相談してきたスタッフの将来を考えて決断していません。
振り返るといつからこんな「いい人上司」が増えたのでしょうか。これはデジタルツールの普及にともなって増えたと言われています。50代になれば経験が豊富で誰にも社内では負けない状況を構築できる時代がありました。最近はデジタルツールを使いこなせなければ経験したメリットも活かすことができません。そのため50代の地位がもろく崩れやすくなってしまったのです。
パソコンを使いこなすだけでなく、スマホも使いこなさなければならない。Webサービスは毎月のように新しく出てきます。デジタル用語は増える一方です。しかも理解するのに時間がかかる難解なものまで2021年から急増しています。
スピードに追いついていない
ようするに時代のスピードに追いつけない。それを、いい人を演じることで乗り越えようとしているのです。ただ、それでは乗り越えられません。一時的にはいい人を演じることができますが長続きしないのです。
怒る人とは
もう一つ、怒る人がいます。キレる人と表現してもいいでしょう。突然キレ出すのです。これも、ごまかしです。何をごまかしているかといえば、自分への指摘です。自分にはマイナス点がある、弱点があるのをわかっています。そのため他人から指摘されたくない。年下スタッフから指摘されたくないのです。
そのため、怒りを振り回すことで攻め込まれない状況を常につくっています。防御のための怒りであり、防御のために突然キレ出すのです。客観的に見ればやっていることはこどもと同じ。なので、防御のためにやっていることを見透かされると単にバカにされるだけです。
怒り出す人、キレる人、相手を攻撃し続ける50代を見るとそんなことを考えてしまいます。下記にも書籍を紹介しますが心理学的にも証明されています。この話、どの企業でも話題にすると「そうですよね、うちにもいます」と盛り上がってしまいます。
まとめ
いつからこんなことになったのでしょうか。50代は自分の行動にも厳しく、まわりにも仕事の要求を完璧にしていたはずです。仕事を100%達成するための要求を冷静にできていたはずなのではないでしょうか。
時代についていけないというのは、それだけ自分にもまわりにもルーズになってしまうことがここではわかります。それを防ぐためにも、50代になればなるほど時代を意識しなければと感じます。
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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,822投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆