日本の組織の特性

リーダーになると役職名がつきます。付加される役職名で呼ばれたりもします。すると、自分が偉くなったと思ってしまうことも普通にあります。新しく役職がついたリーダーが権威を振りかざしているのを聞いたことがあります。「わたしの方が上ですから」と反論していたらしいです。どこまでがカン違いなのか線引きはできませんが、外野から見ればこのケースは単なる「カン違いなリーダー」と見られるでしょう。

世間では「先生と呼ばれる人にロクな人はいない(正常な人はいない)」と揶揄されることもあるので、役職名は人を惑わせるのかもしれません。権威欲という欲求もありますので、先生と呼ばれて持ち上げられるとカン違いする人も多いということです。ただ、役職名がついたからといって人がついてきてくれるわけでもありません。あくまでも人は「この人なら」と感じながら動いているものです。

役職者、リーダーが言ったのにスタッフやメンバーが行動しないのは、それだけ影響力がないのでしょう。ただ伝えるだけで、聞き流しされている状態です。中には「はい、わかります」と返事して何もしない人もいます。面従腹背の状態です。これもリーダーよりスタッフの方が優秀な場合は面従腹背でも成果は上がります。日本の組織ではよくあることだと認識されています。そんな論文も出ています。ただ、今後はそんな現象は発生しないでしょう。

面従腹背(めんじゅうふくはい)とは
うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わないこと。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E9%9D%A2%E5%BE%93%E8%85%B9%E8%83%8C/

影響力の有無

そのように考えていくと、今後は「権威ではなく影響力でまわりを巻き込んでいく」ことがリーダーに欠かせない視点だと感じます。影響力の有無がリーダーの実力になるのです。影響力があるリーダーが評価されるようになり、影響力のない肩書きだけのリーダーの評価は下がっていくと思います。

結局のところリーダーの評価はまわりが決めていきます。役職がついたから評価が固定されるわけではありません。リーダーとしてまわりが認めないかぎり本当のリーダーになることはないのです。

まとめ

人って敏感に反応しますし、少しのことでも察知します。あのリーダーはこんな人だ、と一瞬でも思われたら人はついてきません。精度が低いリーダーは発言も行動もあまり考えずに行っています。そのため、時間が経ってもリーダーとして認められないケースがあります。リーダー自身が気がつくまではそのままだと思います。

リーダーの成長が組織の成長につながります。直結すると言っても言い過ぎではないでしょう。リーダーが成長する組織が理想です。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆