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大学がベンチャー支援を掲げ起業にスポットライトを当てている

変化しているのを実感

時代が変わったと感じる内容があります。大学の入学式式辞内容についてです。今回は東京大学学部入学式の総長式辞から抜粋して見ていきます。今後の世界を予想できるキーワードが入っているのが特徴です。

ベンチャー支援700社目標

東京大学は関連ベンチャー支援の目標設定をしています。
・2030年までに700社
のベンチャー支援をする予定。
700社の支援が実現すれば上場企業が出てくるでしょう。数社は上場すると思っています。東大発のベンチャー企業の上場が当たり前のような雰囲気になっていくのでしょう。

大学という場においてみなさんの多様な能力と可能性を尊重し、育んでいくことの大切さは、本学が取り組んでいる起業家教育の理念とも深くつながっています。本学が目指すべき方向について定めたUTokyo Compassのなかでも、東大関連ベンチャーの支援に向けた取組みを積極的に進め、2030年までにその数を700社にするという目標を掲げています。なぜ、私たちはいま、起業にスポットライトを当てているのでしょうか。

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message2022_01.html 令和4年度東京大学学部入学式 総長式辞

支援する理由

大学がベンチャー企業を支援する理由はどこにあるのでしょうか。単なるベンチャー支援ではなく、起業することで能力を育み、社会問題を解決するのを目指しています。起業は、「粘り強く課題に取り組む力」「新たな解決を発想する力」「強力しながら実現する力」を育めると定義しています。社会問題を解決しながら能力も高めるという相乗効果があるのです。

起業への注目は、本学が社会における大学の意義を問い、課題に粘り強く取り組む力、新たな解決への可能性を発想する力、そして他者と協力してそれを実現する力を育もうとしていることと深く関係しています。社会において求められる人材の多様化に合わせて、卒業後の進路も急速に多様化し、新たな事業を生みだす人の割合も増えています。東京大学は、社会が直面している課題の解決に貢献する新たな業(ぎょう)を起こすことを支援しています。さらには現状ではまだまだ少ない、本学発の女性の起業家を数多く生みだしていくことにも、力を注いでいきます。

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message2022_01.html 令和4年度東京大学学部入学式 総長式辞

会社の役割を考え直す

起業についての定義も単なる利益をあげることではないと言っています。法人の役割を基本から考え直す必要があると伝えているのです。営利目的だけではなく、個人の力を結集しながら意思決定できる仕組みが法人の再定義ではないかと問いかけています。

起業というと、会社を興して利益をあげることとイメージされがちですが、そうした理解は十分なものではありません。「会社」や「法人」についても、もうすこしその役割の基本から考え直す必要があります。明治時代に福澤諭吉が「会社」の必要性を論じたとき、そのポイントは営利や株式にではなく、異なる個人が力をあわせて事にあたるための対話や意思決定の仕組みづくりにありました。

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message2022_01.html

まとめ

大学は学問をするところ。起業の話題は出てこないのが普通でした。あくまでも学問を極めるところだったからです。学問から社会の課題を解決するアプローチでした。これが起業を起点として、起業により社会問題を解決するプロセスへと変化しているのです。

法人の定義も再定義を投げかけていますが、あくまでも法人という枠組みを利用するのを前提としています。法人という仕組みは将来的には違う仕組みへと変化しますが、直近では法人という枠組みしかありませんので、そこに延長線を描いていくことになります。

大学も変革を迫られているのを感じます。

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,841投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆