価格が上がる現象
部品が入ってこない。資材が足りない。そんな報告が増えています。
ありきたりの資材が不足している。どうしてなの?と言いたくなるような状況があります。
製造が止まったり、物流が止まると今度は価格に影響が出ます。仕入れ金額がアップするのです。不足が出ると買い占めが入ったり価格が高騰します。運送費用も果てしなく上がっていくのが現実です。
今回は、こうした価格が上がる現象について種類を取り上げていきます。
インフレーションの種類
インフレーションといっても状況や背景には種類があります。インフレは価格が上がることを指していますが背景が違うと別の意味になるのです。インフレの種類は下記のような形に分かれます。
- デマンドプル・インフレーション(demand-pull inflation)
- コストプッシュ・インフレーション(cost-push inflation)
- 財政インフレーション(貨幣供給増加)為替インフレーション、信用インフレーション
- 構造インフレーション
- 輸出インフレーション
- 輸入インフレーション
厳密には似たようなものもありますが、代表的なものは上位2つのデマンドプル・インフレとコストプッシュ・インフレです。コストプッシュインプレは言葉から内容が想像できると思います。原価(コスト)がプッシュ(圧力上昇)してしまうインフレです。
デマンドプル・インフレとは、消費活発による良い循環のインフレです。
デマンドプル・インフレ
書籍『インフレ不可避の世界』より抜粋
購買力の高まりによる消費増加が、経済活動をさらに活発化させる好循環の展開
デマンドプル・インフレが良いインフレ。コストプッシュ・インフレは悪いインプレ。そんな対比で説明されることが多いでしょう。日本だとコストプッシュ・インフレは輸入価格上昇によるインフレも多いので「輸入インフレ」と呼ばれることもあります。
今後は、コストプッシュ・インフレだけでなく、財政インフレ(貨幣供給増加インフレ)が顕著になってくるのではないでしょうか。そう考えるとインフレがひとつの種類ではなく複数重なって来る可能性が高いのです。
まとめ
インフレーションは過去を振り返ると日本では30年以上前に経験しただけになります。この30年間以上インフレは発生していません。そのためビジネスの現役世代ではインフレを経験した人が少ない。ましてやインフレ時にリーダーとして決断をしていた人も少ないのではないでしょうか。
海外に行けばインフレを経験している人が多いエリアもいます。直接お話しを聞いたことがあり生活も大変だったと言っていました。治安もわるくなるそうです。
今後インフレが小さい振れ幅で終わるのか、大きな振れ幅になるのかによって選択と決断が違います。今から準備をしなければ、そのときになってから考えても後手に回ることもあるので情報収集は欠かせないところだと感じます。
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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,857投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆