デ・ブランディングとは

あえて企業色を排除する取り組みがあります。マーケティング戦略です。これをデ・ブランディングと呼んでいます。通常なら会社名が入ったロゴを宣伝に用いて企業名をCMで連呼していました。しかし、現在では見かけることが減っています。理由は、顧客の購入判断が変わってきたからです。

以前なら企業名を知っている商品から優先的に購入していました。今は、ノーネームのブランドでも購入する「衝動的な購買」活動の割合が増えているのです。衝動買いにおいては企業名やブランドは気にしません。商品だけを見て判断しているのです。

たとえばクラウドファンディングを見ればわかります。出品されている商品を見て参加するかを決めており、企業名で判断はしていません。商品の良さだけで判断する人の割合が増えてきたのがここからわかります。

デ・ブランディング Debranding
製品からメーカー名を削除し企業色を少なくするマーケティング戦略。
ロゴから企業名を削除するのがデ・ブランディングの典型的なパターン。
ナイキは1995年から、スターバックスは2011年にロゴから企業名を削除したのが代表例。

https://en.wikipedia.org/wiki/Debranding を参考

広告内容の変更

企業名をあえて消去する流れになると、会社名を知ってもらうための広告出稿が減少します。そのため広告費を下げることも可能になるので、デ・ブランディングを選択する企業が徐々に出てきているのです。

また、企業名が入っていないロゴの方が親しみやすく感じる世代が増えているのも要因のひとつでしょう。受け入れられやすいのです。企業名が入っている方が売り込まれているような感覚を感じてしまうのでしょう。すべての商品に当てはまる内容ではありませんが、そのような動きが一部で発生しているのは以前と比較して変化ポイントです。

立体から平坦に

企業のロゴマークは立体的なデザインから平坦なデザインへと変更している企業が増えています。これもデザインの文脈なのかもしれませんが、シンプルデザインへと移行しているのは感じます。デザインは飽きられると戻ってくるので、現段階では立体感が排除され、平坦なシンプルデザインのロゴが増えているのが大手企業の特徴です。

まとめ

ロゴなどのデザインでは、あまり主張し過ぎないことも検討するポイントになりました。以前なら目立つロゴデザインが好まれていましたが、顧客が求めるシンプル・平坦への移行は見逃すことはできません。

対象とする顧客層によって違いはあると感じますが、検討の幅を広げて従来とは違う案も検討するのは有益なことだと感じます。

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,865投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆