家計調査報告2021年からわかること
2022年5月10日に公表された家計調査報告書の貯蓄・負債編。2人以上世帯の統計データです。調査は世帯を全国の市町村168市町村から2人以上の世帯8,076世帯を無作為抽出しています。その結果です。
家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)2022年5月10日公表
https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html?fbclid=IwAR1CDAPvingZE2dttkpKMvMzBbo6V6uNqTi4YsaMnfkwZkCituD93izvmOA
貯蓄・負債現在高推移
貯蓄は増え負債は減少しました。貯蓄は給付金が全員に配布されたので増加していますが、それ以上の金額が増加しているので支出を減らしている事実がわかります。
貯蓄現在高
貯蓄高に関しては平均値を確認するというより参考値である中央値を気にしています。今回だと、平均値は1880万円ですが中央値は1026万円です。この中央値は貯蓄ゼロ世帯も含めたうえでの中央値になります。貯蓄ゼロ世帯を除いた場合の中央値は1104万円になります。中央値の方が実態に近いと考えています。
貯蓄の種類
日本人は資産運用をしないと言われて久しいですが、実態はどのような内容なのでしょうか。特徴としては有価証券の割合が増加し、有価証券の金額も増えていることです。株価が増加傾向にあった2021年だったのでこのような結果になったのでしょう。給付金をきっかけに有価証券への投資も増えていると聞いています。また政府も「資産所得倍増」と言い出しました。意図のある発言だと感じます。
特に若年層の投資への関心は高くなりました。良い意味での関心が高い部分と株価高騰によるバブルとしての関心の高さの2種類がありますが、双方で増えていると感じます。こうした投資への質問が来ることも増えました。正解がない世界ですが、分散投資と長期投資だけは外せないポイントだと感じます。
負債現在高
不在に関しては平均値567万円より負債保有世帯の中央値1233万円が実態に近いでしょう。住宅ローンを抱えている世帯が多いのは日本の特徴です。そのため負債保有の中央値で1233万円になっています。住宅購入の際には2000万円、3000万円、4000万円といったローンを当初抱えています。そのため平均が567万円になりますが実態よりは遠いところの数字になると思います。
世帯主年齢別の貯蓄と負債現在高
世帯主の年齢別の貯蓄現在高と負債現在高です。40歳未満では夫妻の方が多いマイナスの状態。40歳から49歳のところで貯蓄と負債が同等金額になり実質無借金状態へ。50歳以上になると貯蓄の方が大きく上回る結果となっています。
ただ、負債保有世帯の割合を見ると50歳〜59歳の階級でも52%と半数以上が負債を抱えています。60歳以上になってようやく負債保有の割合が28%、12%と減少していきます。なので精神的な負担が減るのは60歳以上になってからのようです。
まとめ
2021年は特殊事情があった年なので動きがいつもと違います。この変化から貯蓄の中で有価証券などの投資割合が増えていくのでしょうか。それも株価と連動すると思います。下がっていけば投資熱も下がっていくでしょう。
他人の貯蓄と負債はほとんど知らないのが実情だと思いますが、こうした平均値や中央値から想像しなければなりません。個人的には住宅営業をしていたので常にリサーチしている状態でした。人は見かけによらず貯蓄金額が予想より多い方、予想より大幅に少ない方を見ていたので、こうした統計データも実態を想像しながら見ることができます。定期的に確認していきます。
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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,871投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆