気がすまないリーダー
叱らないと気がすまないリーダーがまわりにいませんか。注意するだけなら数十秒で終わることを、延々と30分間とか1時間という時間をかけて話しをするリーダーです。リーダー自身に、「なぜそんなに時間をかけるのか」とヒアリングすると『時間をかけなければいけない』と返答されます。これ、本当でしょうか。
叱る依存
このようなリーダーのことを「叱る依存」と呼んでいます。叱る行為に依存しているのです。もしくは叱る時間の長さに依存しています。もちろん現在では問題になる行為。パワハラ行為に当たります。叱ることに依存しているリーダーは今後、どのように変化成長すればいいのでしょうか。
叱るとき
ビジネスにおいて叱る場面は限られます。礼儀、安全面などビジネスパーソンとして問題があるときだけです。《しつけ》と呼ばれる領域のときだけ叱ることもあるかもしれない程度です。現在では、叱る場面はほとんどないでしょう。
ちなみに海外では文化に違いから、スタッフを叱るとすぐに辞める国もあります。日本もそのような文化に変化していくのではないでしょうか。
叱る以外の方法とは
では、叱りたいという欲求が出てしまったとき、他の対処法はないのでしょうか。そんなときは、次のような原則から考えるとヒントになります。
人の行動が変容させるには、
- 回数✖️意識の深さ
によって変わるのです。回数を重ねれば理解して変わる。意識の深いところに入れば行動変容するのです。
時間の長さは関係ありません。特に30分、1時間という時間は無意味です。長時間により効果が出てくるのは4時間以上でしょう。意識の深いところに響くには、聞く側が耐えられないと感じる時間の長さ(4時間超)が必要になってくるのです。この原則から考えれば、30分間、1時間と叱っているリーダーの行為は無意味と考えて間違いありません。叱っている本人が満足するだけの行為なのです。
コツは、短い時間で意識の深い領域に響かせる。それを回数重ねることです。なので時間は短くて大丈夫。1回当たり数十秒か数分で終わります。それを何度も行うことだけなのです。叱る依存のリーダーはこの手法を知りません。経験したことがないので信用しません。しかし、実際は効果的なプロセスです。
まとめ
パワハラだからやめなさいと伝えても叱る依存のリーダーは他の手法が思いつかないので、またパワハラに戻っていきます。人の意識に響く手法が叱る行為だけだからです。なので、上記のような違う手法を習得させるしかありません。
会社としては放置しておくことはできないのでリーダーにとって必須項目になるでしょう。
参考図書:〈叱る依存〉がとまらない
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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,893投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆