8割減少

東京都の書店数について推移が出ていました。1984年には東京都書店商業組合には1400店あまりが加盟していました。それが2022年時点で加盟店は270店程度まで減少しています。80%減少です。38年間で8割減となっています。

◆東京都書店商業組合(東京・千代田)は、映像を通じて書店や本の魅力を伝えている。同組合の加盟店は最盛期の1984年に1426店だったが、2022年4月時点で277店と8割減った

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61990450T20C22A6L83000/

市場縮小

市場縮小業界は他にもありますが、共通点があります。それは、同じビジネスモデル、同じビジネス形態の企業は厳しい状況が続くこと。同じビジネスを続けるのであれば、厳しい状況を耐え抜いて、最後に残存者利益を狙うことは可能です。しかし、そこまで維持するのは難易度が高い。それならば、業態変化をさせることです。

最初のステップ

変わらなければならない、とわかっていてもそう簡単にできないと感じている場合もあるでしょう。思いつくのはハードルが高いビジネスだったりします。しかし、ハードルが低い業態変化も存在しています。それは集客を必要としない既存顧客対象にビジネスを広げることなのです。

本屋なら

書店ならば書籍を買いに来る顧客がいたはずです。それがネットで購入する、デジタル本を購入するようになりました。本は店舗で買わなくなったのです。しかし、店舗に通っていた顧客は。その店舗に買い物に行く習慣があった人たちです。習慣や親近感は残っています。

その人たちが集まりたくなる、行きたくなるお店を他の商品群でつくっていく。その展開ならハードルが低い。新規集客が不要。いつもの顧客が来てくれるからです。そのためには、お店のファサード(外観)はそのままのほうが安心感があります。店名を変えたり、ファサードを大きく変えてしまうと、過去の蓄積でてきあがったブランドが消滅することもあります。顧客が「店がかわった」「オーナーチェンジした」と勝手に思ってしまうからです。

文具店から居酒屋

ある地方で文具店が閉店。そのお店の場所で飲食店がスタートしました。お店の看板は文具店のまま。ファサード(外観)もそのまま。内装は変えましたが雰囲気は変わりません。運営者は変わったのですが、なにか安心感があるのでお店に入りやすい。また話題にもなったのです。『あの店、そのままで飲食になったんだって』と顧客は言っていたようです。この手法は飲食に限らず、どの業界でも応用が可能です。

まとめ

親しみや、入りやすい、というブランドが残っているならば、活用しない手はありません。時間をかけてつくりあげてきたブランドは変えるのではなく活用すべき内容です。信用や実績は短期間には醸成できません。大きく業態転換する手法ももちろん有効ですが、経験が浅いときはハードルの低いところから狙う方が得策です。

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,910投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆