たとえ話
話しがわかりやすい人の特徴はいくつかあります。その中で、《たとえ》が上手な人の話はわかりやすい。理解しやすいのです。たとえの内容が自分にとって理解しやすいときは深い理解へと導かれます。「わかる、わかる」と感じる瞬間です。
なぜたとえ話なのか
たとえ話が有効なのは理由があります。それは《人は経験からしか理解しない》からです。経験したことであれば思い出して理解するのです。特に実体験と同じことであれば100%理解できる。なので、相手の過去の経験と同じ内容であれば100%伝わるのです。しかし、経験と同じ内容であることはありません。その場合は、過去の体験と似たような話である必要があるのです。それがたとえ話です。過去の実体験に近い内容であればあるほど理解する率が高まっていくのです。
こんなたとえを用いて
どのような、たとえが話しやすいのでしょうか。それは、その人が経験してきたスポーツに置き換えると簡単です。興味を持っているスポーツでも大丈夫です。理解させたい内容が、「たとえば、こんなスポーツなら」と置き換えするのです。リーダーシップを伝える場合はスポーツ界のリーダーシップに置き換えるとすぐに応用できるのではないでしょうか。具体的なスポーツ界のリーダーの名前を出してもいいでしょう。
リーダーのタイプを伝えるとき、よく用いられるのがスポーツのたとえではないですが、信長タイプ、秀吉タイプ、家康タイプで表現されることは見かけると思います。これも、たとえの好事例。わかりやすい内容です。
総語彙索引」で「ほととぎす〔杜鵑・時鳥〕」を引くと
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000085590
「「鳴かぬなら殺してしまえ時鳥」を織田信長、
「鳴かぬなら鳴かせてみしょう時鳥」を豊臣秀吉、
「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」を徳川家康
の句とし、それぞれの武将の特徴である短気、工夫、忍耐を時鳥への対応をもって表現したもの」
(『故事・俗信 ことわざ大辞典』(尚学図書編集 小学館 1982年)のページp844)
たとえる力を鍛える
たとえる力を鍛えるには、日頃から言い換えることを習慣化することです。たとえば「整理整頓しなければならない。なぜなら、・・・のようにしたいからだ」と・・・のようにと言い換える表現を付け加えることです。・・・でたとえるならばと追加してもかまいません。
まとめ
提案をする機会、プレゼンテーションをする機会があるならば、常に「たとえ」を挿入することです。「お客様の状況にたとえるならば・・・」「御社の業界にたとえるならば・・・」と追加した表現が深い理解を誘います。単に説明をしているだけでは深い理解は得られません。こうした表現の豊さを習得するのは意識すればできますが、意識しなければ説明が下手だと思い込んでしまうだけです。伝わる技術の中でも有効的なスキルなので覚えておいて損はありません。
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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,942投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆