200円といえば

200円という数字だけでわかる人もいると思います。KDDIが通信障害によって被害を被った対象者に一律200円を支払うことを公表しました。(音声通話のみの方には2日分相当を基本使用料から差し引く)

通信障害が発生した時間数は合計で最長60時間程度。日数にすると2.5日間になります。1ヵ月を30日とすれば約8%となります。一律200円を支払うのであれば、200円/2500円となる計算ではないでしょうか。月間のデータ通信料金が2500円程度の計算になると思います。

KDDI、一律200円返金
通信障害、3655万人対象

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63051020Q2A730C2MM8000/

補償の基準

補償については約款に記載されています。通信キャリアとの契約を交わすときに約款にサインをしているはずです。細かい文字で書かれた書類のひとつです。一言一句、理解するまで読む方は少ないのかもしれませんが、約款には「24時間以上その状態が連続したとき」に補償するとあります。

この補償基準に対象となるのは、今回音声通話のみです。なので音声通話のみの契約者に対しては2日分相当を基本使用料から戻す形にしているのです。データ通信のほうは対象にはなっていません。何も補償する必要はないのですが、60時間もの長時間にわたってデータ通信が途切れたり通じたりしていたことを考えて200円という金額を決めたようです。お詫び金として支払うようです。

妥当な金額とは

「200円では納得できない」と窓口に言いに来た人もいたようですが、妥当な金額はいくらでしょうか。今回納得がいかない人たちの気持ちを代弁すると、データ通信は24時間以内に復旧していますが、電話は通信障害が発生していました。2日後に電話が通じるようになったときに着信がいきなり2日分入ってきたのです。特に仕事の電話が2日後にわかったので、非常に困ったようです。それをデータ通信復旧でごまかされたように感じるのではないでしょうか。

日割で計算すると、携帯電話の月額使用料金は平均値で5000円程度なので、そのうちの8%で通信障害が発生したと考えれば、補償額は400円程度になるでしょう。

2021年12月時点での「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」の調査結果・・・端末代金を除いた携帯電話の月額利用料金の全体での平均は4617円。

https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1384414.html

まとめ

補償額はいくらに設定しても全員が賛成することはありません。ですが、補償額に対して根拠は必要です。今回の200円というお詫び金は根拠が不明確に見えています。不満が増える原因になるのではないでしょうか。せめて1人当たり500円にした方が論調が変わっていたようにも感じます。ただ人は200円も500円も同じような金額に感じるので効果は薄いかもしれません。効果としては1,000円超だと論調が変わる可能性が高いです。

今回の対応については200〜400円という妥当な幅の中の最低ラインを狙ったと予想しています。

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,947投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆