世の中は突然変わる

ビジネスにおいて、リスキリングという単語が目につくようになりました。新しいスキルを習得し自分の能力を再構築することです。特に40代以降の方を対象としており、時代の変化スピードを感じます。新しいテクノロジーが出てくるときは順番に出現しません。一気に複数が出現し瞬間的に場面転換をしてしまうのです。瞬間的な場面展開をイメージできない人はいつまでも既存スキルで安心してしまうのでしょう。自分のスキルがまったく通用しない将来を予想できないのです。しかし、現実は冷淡です。突然変化してしまうからです。この20年間を振り返ってもわかります。インターネットの出現で変化し、スマホによって便利さが格段に上がりました。10年周期で突然変異が発生しているように感じます。

学ぶ前に学び方を

新しいスキルを身につけたいと思ったとき何をしますか。とりあえず書籍でも読む。資格を調べてみる、といった行動が考えられます。学びたいジャンルがそこで決まるでしょう。習得するスキルの選定ミスは避けたいところですが、キャリアパスを考えれば大きく外れることはありません。そのあとは、ひたすら学ぶだけですがココでひとつポイントがあります。それは最適な学習方法を考えておくこと。時間のない中で学ぶので学生と違って学習に効率が求められます。短時間で習得できる戦略的な学習プロセスがここでは欲しいのです。これを「戦略的学習力」と呼んでいます。

「戦略的学習力(ラーニングストラテジー)」
オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授( https://www.robots.ox.ac.uk/~mosb/ )が提唱した概念で、自分は何を学ぶ必要があるかを見定め、最適な学習内容や学習方法を考え、効率的に習得する力を指す

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63436670V10C22A8KE8000/ より部分抜粋

よく考えてみればそうなのですが、学ぶ前に学び方を知っておくことは外せないポイントです。回り道をしないためにも、ムダを減らすためにも効率的な習得力を養っておくことが優先です。

効率的に学ぶ力とは

では、効率的に学ぶ力とは何か。「瞬発力」と「体系的な内容を選ぶこと」だと感じます。短時間しか時間が取れないことが多い。そのため瞬時に集中力を高め、数分間で学ぶマイクロラーニングを取り入れる戦略が有効です。時間が長く取れるときに学ぼうと思ってもなかなかできないことが多く、結局先送りになってしまいます。そうであるならば、時間がないことを前提に学ぶ計画を立てることです。

もうひとつの「体系的な内容を学ぶ」とは、最短距離で到達できる手法です。学ぶ領域の全体像をつかむ時間を最初に計画します。全体像がわかれば攻略する気持ちも高まり、意欲も湧き出てきます。逆に全体像がわからない場合は、いつまで経っても進まないという焦りが先行し挫折しやすくなるのです。

全体像が理解できた後は、優先順位をつけ学ぶプロセスを構築していく。学ぶポイント、学ぶ優先順位を見極めできる能力もここでは問われるでしょう。

まとめ

結局のところ
・何を学ぶのか
・どのように学ぶのか
を明確にするのが戦略的学習力ではないでしょうか。今後必要とされるスキルを見極めながら学ぶ領域を選定する。そして、学ぶ領域が決まれば、後は効率良く学ぶ手法を選択していく。優先順位をつけながら着実に消化していく。

それが求められるだけです。シンプルに考えれば大した内容ではありませんが、正確に実行するには時間がかかるでしょう。戦略的学習力が身につけば、新しい分野を習得する時間数も最小で済むはずです。そのため新分野や新技術に対しても追随できる人になっていくことでしょう。

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,964投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆