具体的なイメージが出てこない

メタバースという言葉だけが流行り出したのですが、何がどうなるのかイメージできない人も多いと思います。わたしもそうでした。ゲームの世界がやってくるのか?と思うだけ。既存のビジネスにつながるイメージがなかったのです。しかし、デジタルツインの発展系であるメタバースの領域は普及します。そう予想しています。

デジタルツインとは、現実の世界を仮想空間上につくり上げることです。同じ空間をつくってしまい仮想空間上に現実を再現するのがデジタルツイン。メタバースは、デジタルツイン上を自分のアバターが動き回ることができる状態だと考えてください。

ここから普及する

川崎重工が工場をそのまま仮想空間に再現し不調予測ができるようにすると発表しました。マイクロソフトとの提携で実現されるようです。製造業において仮想空間上に工場製造ラインを再現するのには大きな意味があります。特に大規模製造ラインにおいては今後、デジタルツイン、メタバースの普及は加速するのではないでしょう。

実際には、工場の環境データを取得し、仮想空間上に再現していきます。気温、湿度、電気、電流といった環境要因のデータを仮想空間上に再現していきます。そうすることによって現実と同じ状況で工場を稼働させられるのです。

仮想空間に再現することによって何がわかるのか。

  • 不調が予測できる
  • 実際には困難な実証実験ができる:例 現実にはできないスピードで稼働させてみる
  • 生産性向上のアイデアを試すことができる。しかも低額コストで可能

といったメリットがあります。このメリットは大きい。なぜなら、実際に工場をつくってから実験をするには多大なコストと時間がかかるからです。それを少額なコストで実験できるのです。

また既設の工場ラインの変更についても仮想空間上であれば変更シミュレーションが何度でも可能になります。ベストな変更パターンを事前にシミュレーションできれば大きな利益が手に入ります。

川重、工場丸ごと再現し不調予測:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64675520X20C22A9TB1000/

まとめ

新しいテクノロジーは得られる利益が大きくないと普及しません。あくまでもコストパフォーマンスが求められます。仮想空間に再現するデジタルツインやメタバースは今後製造業において飛躍する可能性が出てきました。仮想空間上に再現するためのデータ収集もIoTの進化により低コストで実現できるようになり、一層デジタルツイン、メタバースへの流れを加速させています。

この流れも不可避なような気がします。今から準備しておいて損はありません。

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ビジネスリーダーのための『Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆