ここまで為替が動くと

ここまで為替が急激に動く年はなかなかありません。しかし現実に発生している事象です。何年ぶりだろうが事実なので動かしようがありません。中には為替変動によって利益が蒸発している企業もあります。その逆もあり、為替変動によって収益が増えている企業もあるのです。どちらが正しいということではなく、どちらにしても経営は対応しなければならないだけです。

為替感応度とは

為替の変動に対して企業がどこまで影響を受けるのか。それを示すのが「為替感応度」です。具体的な内容は下記の通りです。

為替感応度とは
外国為替相場の変動に対し、企業の利益などが受ける影響の度合い。
海外売上比率などが高い企業の場合、自国通貨高によって競争力が低下し、売上高や利益が減少しやすくなります。日本の輸出企業の一部は、円の対ドル相場や対ユーロ相場が1円変動した場合に売上高や営業利益がどの程度増減するかを自社の想定為替レートとともに公表しています。

https://www.smd-am.co.jp/glossary/YST3112/

収益が出ている企業

円安によって収益が増加する企業の場合。たとえば輸出産業はその典型です。トヨタ自動車は1円円安で450億円の収益増につながっています。他の自動車メーカーも同様に収益増になっています。ホンダは120億円、日産は100億円弱、マツダ23億円、スバル105億円、スズキ69億円、三菱自動車32億円程度の営業益につながっています。

トヨタ自動車1円円安で営業益450億円増 (2023年3月期)

https://financial.jiji.com/main_news/article.html?number=530

まとめ

円安が良い悪いの議論はあまり意味がありません。メリット・デメリットがあるからです。ただ、どちらになろうが経営は続きますので対応するしかありません。不可抗力かもしれませんが、過去にも急激な為替変動は発生しています。初めてではありません。ということは、言い訳ができないのも経営です。対応できなければ「予想していなかった」と烙印を押されてしまいます。厳しいですがそれが現実だと思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆