自分ごとと他人ごと
自分ごとと他人ごと。人は明確に分けて判断し行動しています。経営者の方やリーダーの方はスタッフに「当事者意識」を持ってほしいと考えています。仕事を自分ごととして認識してほしいのです。しかし、「当事者意識を持ちなさい」と伝えたところで限界はあります。そのため、工夫をしている企業があります。
経営職登用制度
管理職は経営職だ、という定義をしている企業もあります。たとえば「サンエー」。沖縄の小売店最大手。リーダー職(管理職)のことを《経営職》と呼んでおり、担当する売り場の経営者になれ、と定義しています。その理由として「責任のある人ほど、経営を進化させることを目指しているから」と考えているのです。わかりやすい定義だと感じています。
経営職登用制度:株式会社サンエー
https://www.san-a.co.jp/recruit/education/
人事は人自、仕事は自事
アパレルECサイトを運営しているZOZOもユニークです。コトバを再定義して当事者意識を高めるようにしています。人事のことを《人自》と呼んでいます。ひとごと(人事)ではなく、自分のこととして考えられるように人自としているのです。他人のことも自分のこととして考えられるようにと願ってのことです。ユニークな視点です。他にも、仕事を《自事》と書いています。つかえること(仕事)ではなく、自然のこと(自事)としているのです。自ら、自発的にという意味も連想できそうな言葉です。
当社では「人事」のことを「人自」、仕事のことを「自事」と表記しております。「人事(ひとごと)」ではなく、スタッフ一人ひとりが他人の事も自分の事として考えるという意味と「仕事(仕えること)」ではなく「自事(自然なこと)」であるという意味が込められています
https://corp.zozo.com/ir/files/pdf/fy20222q_J.pdf (IR資料 8ページ目:右端)
理解の優先順位
こうした言葉の定義は理解が深まります。理解するには
- ①体験する
- ②想像する(仮想体験する)
- ③意味がわかる
の3段階があり、言葉の定義を変えていくのは③の「意味がわかる」に値します。仕事は仕えることではなく自然なことだと意味がわかれば、行動へとつながっていくでしょう。管理職も経営職と理解できれば、単なる管理だけするのではなく経営しなければと新しい意識がスタートするのです。
まとめ
リーダーの意識を高めることは経営の命題です。単に教える、伝えるだけでなくオリジナルの言葉や役職、制度を創作するのもひとつの方法です。ビジネスモデルに合った造語や制度を創作していくことは意味があります。取り組みたい内容です。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆