2023年4月からか

まだ時期は未定ですが、早ければ2023年4月にはスタートするかもしれません。企業への金融機関の融資について『経営者保証』を金融庁が制限します。本格的に経営者保証を制限するのです。内容を見ると金融庁は本気です。

現在も経営者保証はガイドラインが出ており経営者保証に依存しないように金融庁は金融機関に要請していました。しかし経営者保証なしの貸付は3割程度。浸透していなかったのです。

そのため、今後は経営者補償を付ける場合、必要性を具体的に説明する義務を金融機関に金融庁は求めるようです。違反する場合は行政処分も視野に入れているようです。金融機関が「経営者保証なし→融資を渋る」ことを金融庁が監視する姿勢なのです。

中小企業融資「経営者保証」を制限へ 金融庁、23年から
金融機関に理由説明義務、違反なら行政処分も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB319OM0R31C22A0000000/

目的は2つ

経営者保証を制限する理由は2つ。

  • 起業が増えない
  • 事業承継が進まない

の2点です。

起業が増えない理由のひとつに経営者保証によるリスクが起業を妨げていると考えています。そのリスクを解消することを目指しています。

事業承継に関しても経営者保証があるために後継者が見つからないケースもあり、機会損失を招いています。後継者問題を解消するためにもこの経営者保証の制限が有効だと判断しているのです。

まとめ

経営者保証は日本特有のしくみです。金融機関は担保以外に経営者保証をつけることで融資の回収保全をしてきました。しかし、その一方でビジネス評価、経営の評価の優先順位を下げてしまっている事実があります。どのようなビジネスが収益性が高いのか、発展性があるのか、将来性があるのかを判断する能力に磨きをかけてこなかったと言われています。経営者に対する判断もそうです。経営者自身のノウハウ、経験値を判断できるしくみにはなっていないのです。今後はビジネスに対する価値判断、経営者に対する判断などが求められていくことになるでしょう。

経営者保証とは

https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆