スタートアップの仕組み

スタートアップの仕組みは知っておいて損はありません。むしろメリットの方が大きい。スタートアップや新規事業をスタートさせる、させないに関わらず、知っておくことだけで経営が違うと考えています。むしろ成長するでしょう。特にどのようなポイントがメリットをもたらすのか。その点について解説していきます。

ファイナンス資料だがプレゼンの内容も

今回取り上げる資料は経済産業省が公開しているスタートアップの成長に向けたファイナンス関係の資料。資金調達について書かれてあります。資金調達の内容だけでなく、資金調達のためにプレゼンテーションをするときのポイントも押さえられており、わかりやすい内容になっています。

スタートアップの成長に向けた
ファイナンスに関するガイダンス:経済産業省

https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/houkokusyo/financeguidance.pdf

未上場の資金調達

資金調達の歴史を振り返ると徐々に資金調達方法が増えていることがわかります。今後は仮想通貨、トークンなども資金調達の手法として加わってきます。最新の情報を知っておくだけで、いざというときに役に立つはずですし、選択肢を数多く知っておくだけで精神安定剤にもなります。
デット(Debt:返済義務のある資金)では

  • 借入
  • 社債
  • 資本性ローン

があります。この領域はスタートアップ企業に限らずどの企業でも利用する場面があります。実際に、社債、資本性ローンによる資金調達は普通に行われている内容だと認識しておくことです。

エクイティ(Equity:返済義務のない資金)では、株式による調達が一般的。その株式による調達に種類があるのを知っておくことが最初の段階です。

デットとエクイティ(DebtとEquity)
資金調達方法の区分。
デットとは、借入金・社債等により調達された返済義務のある資金のこと。
エクイティとは、株式等により調達された返済義務のない資金のこと。

https://www.re-words.net/japan/description.php?n=1454

借入における留意点

借入に関しては経営者保証について留意が必要だと書かれてあります。経営者保証については2023年4月ごろに大きく変更になるかもしれません。(参考:https://businesscreation.jp/2022/11/02 )
経営者保証と担保について理解をしておくことは経営のはじまりだと感じます。

事業の魅力を伝えるストーリー

エクイティの場合、出資者に対して事業の魅力を伝えなければなりません。可能性であり成長性を伝えてはじめてエクイティが成立します。単なるプレゼンではなく、ビジネスモデルからマーケティングといった事業全体を見せる必要があるのです。しかも、事業が実現する確率や再現性も求められてきます。そのような内容を伝えるときの要件が下記にまとめられています。

ポイントは、①市場規模、②優位性、③実現性になるでしょう。しかもエビデンスを交えてリアルな内容を伝えられることが重要になると感じます。

市場の何を伝えるのか

新規ビジネスの場合、狙っている市場や事業計画、成長性についての解説が必要になります。単に狙う市場の規模が大きいだけの話だけでは不足です。
(参考 市場規模マップ:https://stat.visualizing.info/msm )
他の項目についても正確な数字を出すことが求められているのです。
たとえば

  • 市場構造
  • 競合環境
  • ビジネスモデル:事業内容と収益構造
  • 成長性
  • 成長戦略
  • リスク

といった項目です。すべての数値を集めておくことからスタートしたい領域です。

まとめ

このようにスタートアップで求められる要件は経営の基本でもあります。スタートアップや新規事業を立ち上げる場合には求められるので実際に実践するのがベスト。実践しない場合は知っておくだけでも損はありません。

何事も基本に忠実だと再現性が高くなる傾向にあります。外せないポイントでもあるのでスタートアップ情報は定点観測したいところです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆