画期的な受賞

一般社団法人 日本カー・オブ・ザ・イヤーが開催する、2022年の日本カーオブザイヤーが発表されました。 大賞は日産サクラ(軽自動車・電気自動車)が受賞し、新しい歴史をつくったことになります。軽自動車の大賞受賞は初なのです。軽自動車でも高機能になったのが実証されたような気がします。

気になる選考方法ですが、下記の内容になっています。

  • 60名の選考委員
  • それぞれの選考委員が25点持っている
  • 5モデルに配点する
  • 最高点10点はどれかに入れなければならない

配点を見ると選考委員ごとにかなり偏りがあり個性が見えます。

車種メーカー点数
1位日産 サクラ/三菱 eKクロス EV(日産自動車株式会社/三菱自動車工業株式会社)399点
2位ホンダ シビック e:HEV/シビックタイプR(本田技研工業株式会社)320点
3位トヨタ クラウン(トヨタ自動車株式会社)236点
2022 – 2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー得点表

電気自動車の受賞ばかり

今回の特徴は電気自動車が各部門で受賞が相次いだこと。大賞を含めた6部門のうち4部門で電気自動車が受賞(大賞、インポートカー、デザインカー、K CARの4部門)。選考委員も頭を悩ましたのではないでしょうか。同じ自動車といってもエンジン車と電気自動車ではジャンルが違います。同じ土俵で評価するには無理があるようにも感じます。電気自動車の静粛性や低い重心はエンジン車では不可能。また電気自動車は加速性能が良く快適に運転できるからです。今後はエンジンと電気でジャンルを分けて選考していくのではないでしょうか。

まとめ

カーオブザイヤーは自動車メーカーの企業規模で決まるわけではありません。選考委員の配点で決まるので、ある意味公平です。この10年間を振り返っても最大手の自動車メーカーは1度しか大賞を受賞していません。

こうしたメーカーを横断した選考は外部しかできません。そこに価値があり、消費者も情報を求めています。自動車雑誌や自動車評論家の存在意義は公平な評価を提供できるからです。そこに価値を認めて消費者は情報にお金を支払っているのです。

自動車メーカーの中には自社媒体(オウンドメディア)に力を入れているところもあります。しかし、いくら自社媒体で宣伝しても他社比較はしないので今後も自動車評論家の存在は価値が残り続けるでしょう。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆