社長交代

トヨタ自動車が社長交代を発表しました。次期社長は53歳で新卒からトヨタ自動車に入社された方です。発表は自社メディア(オウンドメディ)での発表です。記者を集めた会場での会見ではないのが時代を感じさせます。次期社長の年代を見るとわかりますが根っからの自動車好き。ご本人もSNSで初期のトヨタ86(ハチロク)を購入しカスタマイズしているのを公開しています。

同年代なのでよく分かりますが、小学生時代「スーパーカーブーム」があり自動車にハマった世代です。スーパーカーブームを知らない人も多くなったので簡単に説明すると「サーキットの狼」というマンガが流行り、そこに出てくるスーパーカーの実車が人気になったのです。スーパーカーのイベントがあると人が殺到した時代があるのです。その世代が現在50代になり、スポーツカーを購入している実態もあります。そんな時代背景がある方だと理解しておくと人物像がわかりやすいと思います。

【今さら聞けない】スーパーカーブームって何? 

https://www.webcartop.jp/2017/03/85953/

当時はお手並み拝見というムード

豊田章男氏が社長に就任したのはリーマンショック後の2009年。大変な時期でした。そんなときに就任されたのだから歓迎されていた感じる人もいるでしょう。わたしもそう思っていました。しかし実態はちがったようです。「当時はお手並み拝見というムードでのスタート」と語っています。

個人的な記憶ですが、当時の元社長が「新社長は社外のこと(対外的なこと)をやってもらい、わたしたちが社内のことを行う」とニュースに出ていたと記憶しています。

豊田章男氏
「13年間の社長在任期間で1日たりとも平穏無事な時がなかった。当初は10年以上社長をやるとも考えていなかった。当時はお手並み拝見というムードでのスタート。逃げない、ごまかさない、噓つかない。もっと良い車を作ろうとやってきただけだ」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD2681I0W3A120C2000000

また、次の記事を振り返ると背景が理解できます。豊田章男氏が社長になってから1年後の新聞記事です。取材されているのは社長ではなく会長の張富士夫氏でした。このあたりから推測できるのは、まわりからまだ社長として認められていなかったのではないかということです。

戦後初の赤字決算、国内外での大量リコール(回収・無償修理)問題――。トヨタ自動車は試練の1年から何を学んだのか。新興勢力の台頭や世界的な業界再編に対抗するには何が必要か。社長経験のある張富士夫会長、渡辺捷昭副会長にこれからのトヨタの針路を聞いた。(2010年6月18日日経新聞)

https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD170DQ_X10C10A6000001/

まとめ

企業規模に関わらず社長交代は利害関係者(ステークホルダー)の関心ごと。どのような人が次期社長になるのか興味関心があるのです。また期待値が高い場合もあります。大企業であっても次期社長には賛否両論の意見が出てくるのでしょう。次の経営チームをどのように構築して経営していくのか。そこがカギになります。新社長だけが頑張っても限界はあるはず。番頭と呼ばれるベテランの方が組織を支えながら新経営チームが歩んでいくのが理想ではないでしょうか。