まだ2割から3割

人的資本経営が叫ばれていますがまだ定着には時間がかかるようです。人的資本経営とは、『人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です』と 経済産業省のウェブには書かれてあります。https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/index.html
人の成長が企業価値につながる考え方です。 上場企業では、研修費用や研修時間を開示する企業がようやく出てきました。 ただ、 研修について費用や時間を開示しているのはまだ2〜3割です。

研修費用・時間の開示、主要企業の2~3割

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68540950W3A210C2TB2000/

開示例

人的資本経営の情報開示について事例が公開されています。上場会社の開示例については下記を参照ください。開示内容を見ればわかりますが、まだ主体性がなく、流れの沿って開示している様子がわかります。

2.「社会(人的資本、多様性 等)」の開示例 
(下記スライド資料 P57〜)

https://www.fsa.go.jp/news/r4/singi/20230131/01.pdf

人的資本は人の価値を最大限に引き出すことを目指しています。そのために価値最大化へ取り組みがされています。しかし、具体的な内容まで開示しているところは少なく、ほとんどが「・・・に取り組んでいます」という表現で終わっています。具体的な研修時間や研修費用について開示している企業もありますがまだ少数派。そこは、企業秘密なので開示したくない領域でもあるでしょう。また、開示された数値は平均値として書かれてありますが、研修時間と費用は偏りがあるのが普通です。その内容までは開示できないと思います。

研修費用は大成建設など16社が、研修時間は日揮ホールディングスやSUBARUなど24社が、22年公表の報告書から新たに開示を始めた。積極姿勢が目立つのが住友化学で、21年度の1人当たり教育投資額(34万円)、同教育時間(137時間)がいずれもトップクラスだった。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68540950W3A210C2TB2000/

会社と自分と

自分の価値の最大化を目指すのであれば、自己投資すべきです。会社がやってくれる、やってくれない、に左右されず自ら価値最大化を求めるべきでしょう。強く言いますが、「自己投資から最大のリターン」が得られます。特に時間の投資はコストがかかりません。どのような環境でも自己投資できる時代になっているのです。ということは、言い訳ができない状況でもあります。チャンスがない、お金がない、などと言い訳できない時代ほどシビアに評価されることを理解しておくことです。

まとめ

人的資本経営を見ると「会社が何かやってくれる」ような期待が出てしまいますが、これは逆効果だと感じます。人的資本経営だからこそ、自分が価値最大化しなければならない、と感じるべきでしょう。仕事をするということは6000万人以上が働いている中で順番がついてしまうということでもあります。その中で価値最大化を目指すならば、「全力を尽くす」しかありません。しかも短期勝負ではありませんので何年でも何十年でも継続できるペースで自己投資に全力を出していくことです。

An investment in knowledge pays the best interest.
(知識に投資することは常に最大の利益をもたらす)
ベンジャミン・フランクリン

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆