採用ではなく教育

人財採用がなかなかできない状況が続いています。こんなときは、採用より教育に比重を変えて取り組むことになります。その教育もリーダー任せになっていることがあるので、それぞれの企業で教育の体系化がカギになりそうです。ひとつの事例があります。2年ほど前から社内教育を本格的に取り組み始めました。プログラムを組んで研修しています。ゆくゆくは、社内大学を構築できるようにノウハウ化する予定です。こうした教育制度は企業ごとに特殊要因があるので、一般的な内容をカスタマイズすることになります。そのカスタマイズが社風を表現しており、興味深いと感じます。他社の事例はあまり目にすることはないと思いますが、同じ項目になっていても、こまかいニュアンスや解釈がちがっており、それが企業ごとの基準値の差になっていると感じます。

ホンネはここ

教育については現場のリーダーにかかっています。どのように教育をするのか。迷いながら取り組んでいるでしょう。たとえば、こんな経験がリーダーにはあるのではないでしょうか。

  • ①教えてみたら「成長する人」だったから成長した
  • ②教えてみたら「成長しない人」だったから成長しなかった

感覚を頼りに「教えてる」人は上記↑のようになるでしょう。教え方はいつも同じ。育つか、育たないかは「本人次第」です。勝手に成長していく自発的メンバーがチームに来なければ何もできないリーダーです。よくいるタイプだと思います。

大きなちがい

リーダーの報告の中に、下記のような表現があります。

  • 成長しなかった
  • 成長させられなかった

成長しなかったのか、成長させられなかった、のちがいは大きいです。この差にこだわりを持たなくてはなりません。教える側の力量だと考えておくべきです。この点はあきらめの早いリーダーも見ることがありますが、他責でなく自分の実力だと自覚した方が良さそうです。

変化球も打てるように

こうした教育の実力をたとえて表現するなるば、野球のストレートしか打てないのか、変化球でも打てるのかのちがいだと感じます。ストレートしか打てないリーダーは、「ストレートが来ないから当たらない」と言っているようなものです。成長させられる幅が狭く、ほとんどの場合は成長させられないのです。その一方で変化球も打てるリーダーは「どんな球が来ても当てられる」のです。さまざまな人材が来ようとも成長させられる実力があるのです。このちがいはあまり明確になっておらず、実力の差と判断されるケースの方が少ないのではないでしょうか。

まとめ

リーダーのミーティングでは「スタッフのモチベーションが低い」という論調でやり過ごしてしまい、教える側の実力が問われないケースも見受けられます。スタッフが原因で成長しないと発言するリーダーは、瞬間的にリーダー失格という原則があると考えています。それを言ったら終わりでしょ、という感じです。そこを起点に議論したいところです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆