目標設定の種類

目標の設定には種類があります。達成率を求める企業では安全圏の目標設定をして達成率を100%超にする手法が多くなりがち。逆にチャレンジに対して評価が高い企業では達成できないかもしれないが大きな目標を設定した方が評価が高くなることがあるのです。どちらが良いわるいとは決めつけられませんが、会社の状態によって使い分けしたいところです。シビアな年は達成率にこだわり、余裕があるときはチャレンジ目標を評価することになるでしょう。いつも一緒な感じで目標設定している部署や組織は見直した方がいいです。

野心的な変革目標とは

だれもが解決できないような課題を解決するときは、目標設定も大きくなります。これをMTP(Massive Transformative Purpose:野心的な変革目標)と呼んでいます。企業価値は「他者が解決できないことを解決できる」ことから発生します。野心的な変革目標から企業価値が生み出されることがあるので、目標の中に部分的に取り入れる内容だと感じます。

では、そんな変革目標を設定するとき、次の質問から内容を考えていきます(書籍「ダブルハーベスト」より)

  • どんな大きな問題に取り組むのか?
  • それをどのように解決するのか?

質問から目標が明確になる手法。大きな目標ほど曖昧になってしまうので質問を投げかけることで抽象度を下げていくのです。大きな問題を解決したいと設定しても解決方法が見えないものは意味がありません。野心的な目標ほど具体的な解決方法が求められると考えています。

ロケット失敗は

2023年3月7日に打ち上げられた日本のH3ロケット。新設計の初号機になります。これが失敗。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230308/k10014001491000.html
このH3ロケットは現在運用中のH2Aロケットの後継機。しかも新型ロケットの開発は22年ぶり。久しぶりの新型ロケットだったのです。

このH3は目的がありました。安価なロケット開発という目的です。H2Aのコスト半額という野心的な変革目標を掲げ開発されてきたのです。普通に考えればコスト半額は異常な目標値。開発の現場は大変だったのではないでしょうか。ちなみにロケット開発は失敗の連続が当たり前。新設計されたロケットの機体は失敗の連続です。今回は1回目の失敗とカウントすればよく、あきらめないことです。想定内のできごととして考えておくべきでしょう。
下記は米国スペースX社の失敗ばかりを集めた動画。スペースX社も失敗が続いたとき、資金も尽きて、次で失敗したら終わりというところまで追い詰められたときがありました。幸いなことに打ち上げが成功し今に至ります。

まとめ

野心的な変革目標は取り組む価値はあります。しかし、成功確率は低いです。それを理解した上で長期的に取り組むことになるでしょう。通常の業務とは別に同時並行させる中にこうした野心的な変革目標を掲げるプロジェクトがあるのが理想です。経営的には他の収益事業とは分離させた形で取り組むことになるでしょう。

書籍「ダブルハーベスト」

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆