マーケティング事例

マーケティングの事例として飲料水はわかりやすく、事例も豊富です。たとえば、炭酸飲料水の販売を見ると、味が美味しいから売れる事例だけではないのです。最初に飲んだとき「美味しいとは思わない」と感じた商品が売れていくこともあります。エナジードリンク類は「美味しいドリンク」ではなく、刺激のある飲み物。味で勝負しているようには見えません。どちらかといえば、イメージ戦略で、エナジードリンクを飲むと「元気になる」「キリッとする」といったメリットを感じているのではないでしょうか。そのため、「この味はあわない」と感想を抱く人もいますし、それが顧客を絞っていることにもなります。

コカコーラ初

企業としては、コカコーラの戦略はマーケティングの教科書に載ることが多く事例研究として最適だと感じます。そのため企業動向としてはコカコーラの動向は目が離せません。最近、初めて「コカコーラのお酒(缶)」を発売予定にしています(2023年4月から)。商品名は「ジャックコーク」で、ジャックダニエルと組んだハイボール(コークハイ)です。今までアルコールのコカコーラは発売してきませんでした。ただ、バーではジャックコークは定番のメニューだったのです。これを缶で発売するのです。缶のデザインはコカコーラと間違わないように「黒」を基調したデザイン。カッコよく飲むお酒というイメージを出しています。これ、売れるでしょうか。個人的には売れると思います。このデザインなら、飲んでいる場面でセンスのいい感じで見られるからです。味も親しんだコカコーラですから飲み続けてしまうでしょう。酔い過ぎに注意です(アルコール度数7%)。

コカ・コーラ入り初のお酒:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69098790Y3A300C2TB1000/

ただの水だが

米国ではミネラルウォーターを缶にしたリキッドウォーターが売れています。ライブや飲み会でノンアルコールを飲むときにその場に溶け込む缶のデザインになっており、ミネラルウォーターだと気がつきません。アルコール飲料を飲んでいるように見えるデザインなのです。売上は200億円程度らしいですが、今後どこまで伸びるのでしょうか。この商品は本当にマーケティング戦略だけで販売しています。ミネラルウォーターの味にこだわる消費者はいないでしょう。この缶を持ち歩くシチュエーションがすべてなのです。

まとめ

企業が利益を生む源泉のひとつはマーケティングです。マーケティング戦略により差別化できるからです。コカコーラはジャックダニエルとコラボして初のコカコーラアルコール飲料水を発売。リキッドウォーターはただの水を缶のデザインだけで売上を伸ばしています。通常ならば他の製品と横並びなのですが、マーケティング要素を加えることで価値が発生しているのです。こうしたアイデアは事例研究からスタートするとアイデアの源泉になります。増やしていきましょう。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆