文脈を断ち切らないといけない

今後の企業の目標設定について考えるところがあります。
・目標設定のための前提
・目標設定プロセス
・目標設定の修正時期、修正スピード
についてです。過去の経験や文脈上で目標設定を立てていたら大きく遅れを取ることになるでしょう。そう感じています。そのため、過去からの文脈は断ち切らないといけないかもしれません。仕事のスピード感、事務処理方法、戦略実行スピードなどといったことが単なるスピードアップではなく、階段を1段飛ばし、2段飛ばしで駆け上っていくからです。いわゆるリープフロッグ現象が発生していくのです。AIというインフラが出現しました。既存のインフラを使い続ける企業とAIを活用して一気にステップを駆け上がる企業に分かれていくのです。優位性があった企業ほど抜かされやすくなります。逆に何も持たない企業ほど一気に優位性を得ることができるチャンスでもあります。何も持たない企業ほど新しいインフラを導入するリスクが少ないため、インフラの入れ替えがスムーズに進むからです。

リープフロッグ型発展とは
既存の社会インフラが整備されていない新興国において、新しいサービス等が先進国が歩んできた技術進展を飛び越えて一気に広まること。リープフロッグ現象ともいう

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B0%E5%9E%8B%E7%99%BA%E5%B1%95

なぜなのか

企業の目標設定も具体的な目標が意味をなくすかもしれません。というのも、AIの進化スピードが速すぎるためです。米国ではIT系の有識者がOpenAI社に対して開発を6ヶ月間休止するよう求める声明を出しました。世間が追いつかないので混乱が生じると考えているからです。この点に関してはAIを触っていない人には想像ができないかもしれません。しかし、数年後には実感するでしょう。世の中の仕事の手法がガラガラポンするからです。(ガラガラポン:仕切り直す、白紙に戻す)

インフラ導入

過去においても新しいインフラの導入がありました。インターネット普及機にはダイヤル回線からISDN回線になり最後は光回線へと変化しています。通信速度が速くなり快適な環境へと変化しています。AIも同じように考えています。単なるインフラの変化です。ネットで検索するというインフラがAIに質問するというインフラへと変わるのです。AIをインフラだと考えれば、以前の通信回線インフラの変遷のように「導入したら速くなる、快適になる」のです。既存のインフラでも問題ないのですが、通信回線インフラのときのように次世代インフラは数倍の効果が見込まれます。

長期的には目標を立てるより

経営では短期の目標は必須です。今期の目標は必要です。しかし、数年後の長期目標はどうでしょうか。これから数年間は長期目標を立てることより
・可能性の追求
が優先するでしょう。具体的には、可能性が高いことを複数試す企業が強くなるのです。しかも自分たちの想像以上の成長をしていきます。予想を超える成果を上げるでしょう。表現するならば「進化」を成し遂げることになるのです。そのため長期目標を考えることの意味は半減するのではないでしょうか。

まとめ

「長期目標を立てる」ことより「可能性の追求」を今後は優先したいと考えています。「どうなりたいのか」という問いに、自分の想像で考えることが弊害になる可能性があるからです。想像できることしかできず、他者と比較して遅れることにもなりますし、後退することもあるでしょう。このようなことは想像すると、あまり良い気分はしませんが、現実は受け入れるしかありません。今後は、ひたすら可能性の追求を毎日することだと感じます。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆