温度差のちがいの源泉

組織には人がいて、そしてそれぞれに温度差があります。企業経営では、ひとつの方向に向かって進みますが、そこにも温度差があります。時代に対しても同じです。時代が変わろうとしているときに、変化対応するのも温度差が見られます。この温度差のちがいは何でしょうか。段階に分けて考えてみます。

やる気がちがう

通常、こうした温度差に対しては
・やる気
・モチベーション
からアプローチする人が多いのではないでしょうか。温度差はやる気のちがいと考えて、やる気が少ない、モチベーションが低いことが原因だととらえるアプローチ方法です。やる気さえ高まれば組織の温度差は解消できる、モチベーションさえ上がればチーム内の温度差が解消すると考えている手法です。

エネルギーがちがう

温度差を個人の
・エネルギー量
のちがいとして考えるアプローチもあります。ここでいうエネルギーとは「活動量」と考えていいでしょう。活動的な量が多い、少ないで考えるアプローチです。活動量が増えれば温度差が縮まるようになるだろうと考えています。

やりたいがちがう

やる気、モチベーション、エネルギー量のちがいは、必要最低限な仕事の活動においては有効です。しかし、それ以上の向上を求めるときの温度差については対応できないことがあります。いわゆる向上を目指すときの温度差の壁です。さらなる向上を目指すとき、温度差は何のちがいがあるのでしょうか。

具体的なことでちがいを見つけるとするならば
・もともとこうしたかった
・変えたかった
・つくり直したかった
・改善したかった
・可能ならこれもやりたかった
・修正したいと思っていた
・整理して体系化したかった
・ツールをつくりたかった
といった欲求がある人が温度が高い傾向にあります。こうした欲求が仕事に対して薄い人は温度が低いとなるでしょう。

新しいツールに対して

新しいツールが出現したときにも温度差がありますが、これも上記のような
・これをつくりたかった(が、能力的に無理だった)
・つくり上げたかった(が、時間が生み出せなかった)
といった気持ちがある人が興奮しているだけだと気がつきました。

・これ、何に使うの?
・これ、何のためになるの?
・これ、意味があるの?
と興味がわかない人は、もともと何かをつくりたいという気持ちも少なく、しかも、つくりたいけどできなかった、という不満も少なかっただけのようです。別にそれがわるいわけでもなく、単に興味が強いか、弱いかだけ。ただ、ビジネスにおいては興味が強い人が生き残っていくのは確かです。スポーツの世界も、興味が強い人が練習しながら研究しながら、スキルやテクニックを向上させて、道具(ツール)を新しく開発していきます。スポーツも興味がなければ上達もしません。まったく同じ構造だと感じます。

まとめ

最初の段階では、やる気、モチベーション、エネルギー量が温度差になります。それを超えて、さらに向上、発展させるには、「興味・関心・改善・創造性」が問われています。向上への関心がなければ温度は上がらない。しかも、改善したい、新しくつくり出したいという欲求がなければ新しいツールを導入して成長させる原動力にはならないのでしょう。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆