ジョブ・ディスクリプションとは

採用時に仕事内容、待遇面は求人票に記入してあります。採用時には雇用契約書を交わします。その中に、詳細な職務内容や貢献内容は書かれてあるでしょうか。その点についてはあいまいにしている部分でもあります。仕事内容が数年後に変更になることもあるからです。また、
・会社に就職する
のが日本的な考え方で、
・特定の職務内容を行うために就職する
わけではないからです。この点は海外と比較するとちがいを感じます。
海外では、就職時に期待される仕事内容から貢献内容が詳細に示されます。これを、「ジョブ・ディスクリプション(job description)」と呼んでいます。

ジョブ・ディスクリプション(job description)とは
ある職位や役職に関連する仕事の内容、職務、責任、スキル、経験、教育等を詳細に記述した文書のことを指します。主に採用プロセスで使用され、求職者に対してその職位が何を意味し、何が求められるのかを明確に伝える役割を果たします。

事例

たとえば、30代営業職のジョブ・ディスクリプションの事例をあげておきます。

項目内容
詳細な職務1. 営業活動の計画・調整・実行
2. 市場調査と競合分析を行い、新たなビジネスチャンスを見つけ出す
3. 顧客との契約締結と維持管理
4. クライアントとの定期的なミーティングと報告
5. 自身の売上と利益目標の達成
必要な資格営業職に必要な資格○○○○
教育ビジネス、マーケティング、関連分野
必要なパーソナルスキル①正確な計画性
②問題解決能力と意思決定力
③ストレス耐性とタイムマネジメント能力
④高いコミュニケーション能力
売り上げ目標年間売上目標 1億円(会社、業界、地域により変動)
利益目標年間利益目標 2,800万円(会社、業界、地域により変動)
勤務条件出張が必要な場合もあります。また、顧客のニーズに応じてフレキシブルに対応することが求められます。
昇進の可能性パフォーマンスと結果に基づいて、上位の営業職や営業管理職への昇進の可能性あり

毎年書き換えて

ジョブ・ディスクリプションは採用時だけでなく、毎年内容を精査するのがベストだと感じます。すべてを見直すには工数がかかりすぎますが、ひとつの項目だけを見直すことは可能でしょう。営業職ならば、いま求められている水準を数値で表現することが本当に大切だと感じています。「がんばっている」から評価するだけでは成長は限定的になってしまいます。それを防ぐためにも、それぞれに数値ベースでジョブ・ディスクリプションを定義してあげるのは有効だと感じます。

まとめ

世の中のスピードは速くなっているのを否定する人はいないでしょう。しかし、教育に関しては逆にスピードが遅くなっていると感じるのはわたしだけでしょうか。1人前になるまでの時間数が長くなっているからです。世の中が高度化し、顧客の情報量が増えたから、成長まで時間が掛かるようになったと弁解されてきました。納得のいく理由ですが、それだけでしょうか。いつまでに1人前にならなければならないと伝えているのでしょうか。古い話しですが1990年代は営業職で新卒入社したら半年で結果を出さなければ最下位決定。中途採用は当月か翌月に結果を出さなければ落第と言われました。短期間で評価される世界でしたが、締め切りが明確に提示されていたので、取り組みやすかった記憶があります。これがベストではないと思いますが、いつまでに、どこまで成長するかは決めておきたいところだと思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆