デリスキングとは
「デリスキング(Derisking)」という専門用語があります。意味は『リスク低減』です。主に
・リスクを減らすための手法
・リスクを減らすためのプロセス
を指しています。金融業界で使われる言葉なので通常は知らないことが多いでしょう。覚える必要がある人の方が少ないと思いますが、リスク低減のための手法は経営にとって考える意味があるので取り上げてみます。
リスクを低減するには
リスクを低減するにはいくつかの手法があります。たとえば
・リスク排除
・リスク分散
の2つが主な手法です。「排除、分散」で覚えておきましょう。
リスク排除は想像しやすいと思います。リスクになりそうなことは徹底的に排除する。選択せず、実行もしない。安全領域を見極めて行動するパターンです。分散も同様に、リスクになりそうなことを細分化したり、分散化させることです。そうすることでひとつのリスクの大きさを小さくする効果があります。
行動しないはリスク低減になるとはかぎらない
リスク低減のことを考えると「動かない方がいい」と考えてしまいます。リスク排除はそうなります。しかし、すべて「行動しない」方向ばかりになると逆に「リスクが増大」することもあるのです。どうしてそうなるのでしょうか。
このようなときのリスク低減はこれ
金融においてはリスク低減させるにはリスク排除(行動しないこと)が有効です。しかし、ビジネスにおいては行動しないことはリスク増大になってしまうこともあります。それは、次のような状況のときです。
・新技術が出て世の中が変化した
・他社が先に行ってしまった
・他社に抜かされたとき
・世の中の変動幅が大きいとき
こうした状況のときには「行動すること」「試すこと」「とりあえず動いてみること」がリスク低減につながります。リスク低減は動かないことという既成概念で思考を狭めてしまうとかえってリスクが高まってしまう現象です。
まとめ
社内でミーティングをするときも「リスク低減」について話し合いをすると、逆効果のことも発生するでしょう。理由は「動かないこと」にこだわってしまうからです。「動くことがリスク」という思考に陥ってしまうのです。それを防ぐためにも、行動することで「リスク低減」できるのを知っておく。常に試し続け、行動し続けている企業ほど実はリスク低減をしていると理解しておくことです。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆