読まない理由
「本を読まない」人が増えていますが、その中でも特に20代(Z世代)におけるこの傾向が注目されています。このZ世代が本を読むことを避ける理由として、具体的には下記のようなものがあります。
・「読むのがつらい」
・「読む時間がもったいないと感じる」
・「読書は楽しいと思えない」
・「WEB検索の方が便利だと思う」
という理由。
短い・速いが快適
これらの理由を見たとき、中には初めて聞く内容も含まれていました。特に、「読む時間がもったいない」という意見は、現代の若者たちがタイムパフォーマンスを重視していることを示しています。読書という行為は、時間的な投資に対して得られる価値が低い、つまり”タイムパフォーマンス”が低いと評価いるようです。「タイパ悪いよね」と言っているのかもしれません。動画もショート動画や切り抜きの視聴が増加しており、切り抜きに関しては元動画より早送りで流しているものもあります。
・短い
・速い
が好まれる傾向にあるようです。ちょっと早口で短い動画ほど「視聴していて快適」と感じるのでしょう。
読書技術習得も
「読書が楽しくない」という回答は、読書の楽しみ方、その技術を十分に理解し、使いこなせていないことを表しています。たとえば、スポーツをする際に、そのルールや技術を理解し、使いこなすことで初めて真の楽しみが生まれます。楽しみはすぐには得られません。読書もまた、その楽しみ方を理解し、技術を使いこなせることで、真の楽しさや深みが得られるはずです。ただ、習得までの時間がかかることは「タイパが悪い」と判断されることも予想されます。
Web検索の方が
「Web検索の方が便利」という意見も見逃せません。確かに、答えをすぐに求めるのであれば、インターネットの方が迅速で便利です。しかし、読書が提供するのは単なる情報や答えだけではないのです。読書には、その過程で得られる深い思考、視野の拡大、語彙力や理解力の向上など、多くの付加価値が含まれています。ただ、事前には実感できないことばかり。簡単な方に流れてしまう傾向は止まらないでしょう。
まとめ
読書の価値は不変ですが、読書する人は減少していくでしょう。動画コンテンツの視聴の方が楽であり、快適だからです。知識転移だけを考えればタイパは良い。特に倍速で視聴すれば時間節約になるからです。ただ、思考を深くするには動画視聴では限界があります。読書のほうが、かえって効率的だと感じる部分です。そのため、今後は読書も目的をはっきりとして使い分けることになるでしょう。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆