為替市場は最近、一段と円安の動きを見せています。主要通貨に対する円の価値は、ドル円、ユーロ円ともに大きな振れ幅を見せ、特に目立っているのがユーロに対してです。対ユーロでは155円台を記録しました。これは2008年、つまり約13年ぶりの水準。同様に、対ドルでも141円台となり、こちらも継続的な円安の傾向が見受けられます。

理由はシンプル

現在の外国為替市場の状況は、円安が一方通行のように続いています。その背景には何があるのでしょうか。その理由は意外とシンプルで、世界各国が金融政策の引き締めを行っている中で、日本だけが金融緩和策を取り続けているという事情があるのです。その結果、円安になっており、海外から日本への観光客からすると「日本は安い」と感じるわけです。

インフレ続く

しかし、円安の影響は全てがプラス面だけではありません。輸入品の価格は上がり、今後の物価の動きに為替の影響が出ると考えられ、インフレ傾向は続きそうです。輸入依存度の高い原材料やエネルギーが高値で推移すると、それは結果として消費者物価にも影響を及ぼし、物価は下がりにくくなるでしょう。

実質のインフレ率が不明瞭

日本銀行は、今年になれば物価は下がっていくと予測していますが、その前提が崩れる可能性も出てきています。もともと、日銀が発表している消費者物価のデータに対しては意見が分かれており、実質の消費者が負担している金額を見ると既に10%のインフレになっていると反論する人もいます。それは物価指数の計算方法において、大きな値動きをするものを排除する傾向があるからで、それが結果としてインフレ率が実際より低く見える原因となっています。

対応が後手になるのか

このまま、日本が金融緩和策を取り続けると、一体どうなるのでしょうか。懸念されるのは、インフレが急加速し、インフレ対策が後手にまわる可能性です。米国の金利上昇の推移を見ると、過去に例のないスピードで短期間に急激な金利上昇を実施しました。この事実から見ても、明らかにインフレ対策が後手にまわっていると判断できるでしょう。

まとめ

海外でも、広範囲にわたる給付金の導入に際しては、ここまでのインフレは発生しないだろうと予測されていました。しかし、その予測は見事に外れてしまいました。これからの日本においても、「為替介入」と「金利政策の変更」が議論されています。それらの政策変更は常に予想外のタイミングで行われるため、そのタイミングを今は静かに待つしかありません。しかし、遅くても秋ぐらいまでには、日銀の金利政策の変更が行われると予想されています。下記メディアでも日銀総裁の決断を示唆しています。

現状維持を貫いてきた植田日銀が決断を下す舞台は整いつつある。

日銀ペーパーに透ける本音 物価想定外の上昇も:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1563V0V10C23A6000000/

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆