なぜ使うのか

AIの利用についてのレクチャーが多くなりました。導入から活用については「なぜAIを活用するのか」という基本的な疑問について十分に理解していなければ、新たなテクノロジーの導入は簡単に進むものではありません。これはAIだけでなく、どんな新しい技術やツールを導入しようとする際にも共通する問題でしょう。

AIが便利であることは確かですが、それにもかかわらず利用されていない場合は、何かしらの障壁が存在しています。具体的には、
①使い方がわからない
②どのように活用すれば良いのかがわからない
③自分にとってのメリットを感じられない
といった点です。

壁がある

これらの問題は、一つひとつ解決することでAIの導入は進みます。しかし、一度に全ての問題を解消することはあまりないでしょう。そのため、一つずつ取り組むことです。
実際に、多くの組織では「使い方」を指導するところまでが主なプロセスとなってしまい、それが終わるとAIの活用がほとんど進まないという状況に陥ることがよくあります。これは、使用者が自分にとっての明確なメリットを感じられない、または感じるメリットが比較的小さいと判断しているのが原因です。使い方よりメリットをどこまで感じるのか。それがファーストステップです。

過半数が分岐点

組織の心理としては、過半数がAIの利用を始めたら、その波に乗る形でほとんどの人が使い始めます。それが、組織全体に浸透するきっかけになります。プロセスには時間と手間がかかるものですが、その過程を経ることで、確実なAI導入が可能となります。

このプロセスを踏まえて、AIの活用を進めること。単に「使う」ためではなく、AIが持つ可能性を最大限に引き出し、組織全体のパフォーマンスを向上させるためです。精通することがゴールです。

進化を振り返る

社会の進化を見ていると、テクノロジーの発展とともに私たちの日常生活やビジネスの形状が大きく変わってきました。初期の電話から始まり、ファックス、パーソナルコンピューター、インターネット、携帯電話、スマートフォンへと進化しています。そして今、更に一歩進んでAIやヘッドマウントディスプレイといった先進的なテクノロジーが登場し、広まりつつあります。

このように、テクノロジーの進歩は歴史の流れとともにひたすら前進し続け、その流れを止めることはほとんどできません。その勢いは時間とともに増すばかりです。

選択肢はない

ビジネスの世界においては、このテクノロジーの波に乗ることが求められています。
「この新しいテクノロジーを使うべきか、使わないべきか」という問いが出てくるときがありますが、実はこの問い自体がもはや不適切。なぜなら、最新のテクノロジーを使わないという選択肢自体が存在しないからです。そう考えています。

進化のメリットは大きい

テクノロジーが進化することによって得られるメリットは大きく、それを活用しない手はありません。効率化、生産性の向上、コスト削減、新たな市場の開拓など、その可能性は無限大。そして、それらを可能にするテクノロジーを使わないという選択は、結果的にはビジネスの成長を止め、最終的には後退を招く可能性さえあります。

まとめ

このように、新しいテクノロジーの導入とその活用はビジネスにおいて必要不可欠な要素となっています。その流れに逆らうことなく、それをうまく取り入れ、活用することが求められていると感じます。あまり深く考えずやってみることからスタートです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆