リーダーからトップ層へ

チームリーダーとトップ(経営層)との間には、明確な立場の違いが存在します。こんな事例はないでしょうか。チームリーダーとして一定の実績を積み上げてきた人々、またはプレイングマネージャーとして能力を発揮してきた人たちが一歩進んでトップ(経営層)の役割を担うことができない事例です。

チャレンジする意欲はあるのですが、そのままではトップ(経営層)には到達しないようです。それはなぜかというと、必要な経験がまだ不足しているからです。では、経験を積めば、それによってトップ層に入ることができるのか、という次の疑問が生じます。しかし、この時代は、じっくりと経験を積むための時間を待ってくれるようなゆとりがありません。スピードの時代なのです。

どのような対策を講じるべきなのでしょうか。その答えは、実践しながら同時に知識を一気に増やしていくという方法です。
・経験+知識→仮想経験値上昇→加速成長
これは、実際にコンサルタントを育成する際に採られる手法であり、短期間に一気に情報過多状態にすることで仮想的な経験値を飛躍的に上げてしまうのです。ある大手のコンサルティング会社では新人に店舗視察を行かせます。3ヶ月で200店舗、最終的には1000店舗視察を実施します。業種を絞って視察に行くので、情報が一気に増加します。また単に視察をするだけでなく、知識も吸収しながら視察を行うので、一般の経営者を超える仮想経験値が構築されるのです。

その場で結論を出す

リーダーとトップ層の違いはある局面で実感します。たとえば、直面する経営の状況に対してその場で判断を下さなければならない瞬間です。ビジネスの現場では、準備する時間など存在しないことがあります。その場で聞いた話に対してGOサインを出すことが求められることもあります。それこそが、トップ層の実力を発揮する場面。YESかNOを瞬時に決めなければ、取り逃がしてしまう状況のときがあるのです。

一瞬のために全賭け

人生とは、一瞬のために尽力し続けるようなもの。「人生には予行練習はない」と言われるのもその理由です。人生は1回しかなく、その全てが本番であり、リハーサルや模擬試験のような概念は存在しません。この事実はビジネスの世界や経営の舞台においても変わらないものであり、予行練習のない、一発勝負の場と捉えるべきなのです。一瞬のために全ての時間を投入してもいいのではないでしょうか。1回の判断で勝利することも負けることもあるのが経営です。全部を賭けて勝負するのもありでしょう。その価値もあると思います。

経験が浅くてもリーダー

新しくリーダーの座に就いた人が、「まだリーダーになったばかりで…」と言い訳をする場面があります。しかし、その言葉が示す意味はおかしい。そのリーダーが経験が浅いかもしれないとはいえ、そのリーダーのところにはスタッフが存在します。そのスタッフから見れば、リーダーはリーダーであり、経験の有無に関わらずその立場と責任は変わらないのです。従って、「経験が浅い」という言い訳は全く通用しないのです。

まとめ

残念ながら、いつまでも準備をしている人、いつまでも予行練習をしている人は決してトップ層(経営層)にはなれないのではないでしょうか。厳しい言い方ですが、現実の場面で待ってくれることはあまりありません。本番の舞台で決断と行動を起こす覚悟を必要なのでしょう。そこには予行練習の時間など存在しない。全ては本番であり、その本番に対する適応力と準備が求められています。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆