自己肯定感喪失時期

先日、ラジオの収録で「自己肯定感」というテーマについて深く語る機会がありました。そのテーマを取り上げた背後には理由があります。過去3年間の停滞期間によって、
①成長した人
②成長していない人
との間に明瞭な隔たりが現れてきたからです。この差異の明らかさが増すにつれて、自己信頼を喪失し自己肯定感を低下させる人が増えているという現象を強く感じています。

乗り越えるアプローチ

これを乗り越えるためのアプローチとして、2つの行動を推奨しています。
1)自分を他人と比較しないこと
2)条件付きの自己評価を避けること
です。他人と自分を比較してしまうと、自己信頼を喪失し、行動不能に陥ることがあります。これを「フリーズ状態」と呼ぶことにします。「あの人は有能だから」、「あの人は特別だ」、「あの人は違うから」といった言葉を繰り返し、自分と他人を比較し続けているうちに、自己肯定感が低下してしまうのです。この「フリーズ状態」に陥ったときは、一度比較を止め、自分自身を客観的に見つめ直すことです。

また、自己評価を条件付きで行うという行為も注意が必要です。「自分には何かが足りないから評価できない」と自分自身を制限してしまう思考パターンは、自己肯定感を低下させる一因となります。「資格を持っていないから」と自身をおとしめ、資格取得に必死になるケースは見かけますが、資格をどれだけ取得しても自信が得られない場合もあります。これは、条件が揃えば自己肯定感が高まるという誤った期待に基づいています。そのため、この思考パターンから脱却し、自己評価を無条件に行うことです。

リーダーの場合

こうした自己肯定感の問題は、スタッフだけでなく、リーダーも同様です。部長や役員クラスの人々でも、明確な成長の差異が見られます。100年に一度あるかないかの大きな出来事が起こり、その状況下で
・「動き続ける人」
・「静観する人」
の間に大きな隔たりが生まれました。その状況がデジタル変革(DX)の時期と重なり、変化の幅が大きくなったことも一因でしょう。さらに2023年からはAIの普及が始まり、変化のスピードがさらに加速しました。このような状況下で、
◆「時代の流れについていける人」
◆「時代についていけない人」
という明確な差が生じ、それはリーダーの中でも明確に出ています。「(デジタルなんか不要)アナログが得意だから」といったことをチーム内に風潮するリーダーもいるようです。

社内OKでも時代からNG出される

この現象をどのように捉え、経営としてどのように取り組んでいくのかは、企業の重要な課題となります。ベテランスタッフや部長、役員クラスは年齢もあるので、「最先端の技術についていく必要ないのでは」という意見を持つ人もいます。しかし、経営は時代と常に競争している面があり、社内のベテランが最先端に対して成長しなくてもよいと思っていても、会社自体が時代遅れになる可能性があります。社内評価はOKでも、時代にNGを出されることになるのです。

まとめ

まだ少し早いかもしれませんが、2024年や2025年には、こうしたリーダーの交代が頻繁に行われると予想しています。これは単なる推測ではなく、現代の高速な変化の中で組織が直面する現実の問題として捉えるべきです。自己肯定感を保ちつつ、組織の中でリーダーシップを担う人たちは、時代の流れを捉え、その変化に対応する能力を持つことが求められるでしょう。何もしないことは単なる後退です。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆