PIPとは

PIP(Performance Improvement Plan)は、個人の「業績改善プログラム」のことを指す用語です。主に外資系企業で採用されており、個々の従業員が自分の業績や成果が目標に達していない場合に、このPIPが導入されます。かなりシステマティックですが、内容について知っておいて損はないので取り上げます。この内容を推奨しているわけではないのでご注意ください。

期間は

PIPは個々の業績や成果を改善するためのプログラムで、その期間はおおよそ6ヶ月間と定められています。その期間中、スタッフは自身の業績についてほぼ毎日報告することが求められるようになります。プログラムの過程を通じて自分自身の「あるべき姿」や「到達すべき地点」が明確になっているので、そこに向けて進捗しているかを確認する作業です。

具体的な内容とは

では、実際のPIPとは具体的にどのような内容でしょうか。PIPでは、まず従業員の業績や成果が目標に達していない理由を明らかにします。次に、どのような改善策が必要か、どのくらいの期間を設けるか、その改善策をどのように進めるかなど、具体的な改善プランを立てます。その後、定期的に進捗をチェックし、必要に応じてプランを修正していきます。

  1. 問題の明確化:業績不振や問題の根源となっている具体的な行動、スキルなど問題点を明示
  2. 目標設定:改善すべき具体的な業績目標や行動目標を設定
  3. 改善策の提案:目標達成のために具体的にどのような行動や習慣の改善が必要かプロセスを明記
  4. 期間設定:目標達成までの期間を明確に設定。通常は3ヶ月から6ヶ月間が一般的
  5. サポートとリソース:達成に向けて必要なトレーニング、リソース、もしくは支援体制を明記
  6. 評価方法(KPI):改善プロセスをどのような数値で評価するか、またどのような基準で「改善」が認められるのかを明示
  7. 進捗確認のスケジュール:定期的な進捗確認のスケジュールを設定。日次、週次、月次などのレビューミーティング
  8. 結果に対する結果:目標達成や改善が見られない場合の具体的な結果(例えば、人事評価への影響、職務内容の変更など)を明示

以上のような項目を設定し、スタッフとリーダーが共有し、緊密に連携しながら進めることが具体的内容です。

プレッシャーもある

このPIPが求める報告の頻度や厳格さは、参加者にとってかなりのプレッシャーをもたらします。そのため、このプログラムを経験した人の間では、「とても厳しい世界」という表現がよく用いられます。しかし、一方で「必ず成長できる」という意見も多く、厳しい環境で仕事をすることが個々の成長に直結するという考え方もあります。

まとめ

PIPプログラムは目標未達のときに行う内容ではなく、通常の成長を求める過程において取り入れたい内容です。そこには、プレッシャーより成長意欲が先に来ていることがベストです。切羽詰まって業績改善するのは避けたいところ。

外資系の企業はこうしたプログラムが完備されていることに注目です。放任主義でもなく、自由主義でもありません。できることはすべて行ってから結論を出しているのを感じます。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆