優先順位の見極め

最近の経済状況は、多くの国々でインフレの影響を受けています。物価の上昇は、消費者の購買行動にも大きな変化をもたらしており、企業にとってその変化を正確に捉えることは売上向上のカギとなっています。顧客の動きに追随できなければ売上減少となってしまうのです。急な方向転換をする消費者に振り回される企業もあることでしょう。

なかなか決めない

インフレ時代には、消費者は購入する商品やサービスの優先順位を厳格に見極める傾向にあります。毎日の生活で必要不可欠なもの、心の豊かさや生活の質を高めるものなど、本当に価値のあるものに限定してお金を使うようになるのです。違う表現でいえば、「なかなか買わない」「なかなか決めない」状態です。時間をあけて決断するようにしている人もいました。

このポイントで見極め

このような状況下で、企業が商品やサービスを販売する際には、単に「良い商品」や「魅力的なサービス」を提供するだけでは不十分。消費者の「本当に必要とするものは何か」を正確に見極め、今ならこれが優先順位が高い、と理解することです。

たとえば、食品業界であれば、栄養価の高いものや保存性の良いもの、コストパフォーマンスが優れた商品が求められるでしょう。ファッション業界であれば、長く使用できる耐久性のあるアイテムや、多機能なアイテムが注目される可能性があります。飽きられない洋服であり、飽きが来ない製品が好まれる傾向にあるでしょう。

優先順位を分析してるのでは

小売の王者である米国ウォルマートはしっかりと消費者の傾向をつかんでおり増収になっています。「優先順位を見極め、最も大切なものにお金を使う」のをわかっており、売上データ分析も、顧客の優先順位を分析対象としているのが予想できます。ウォルマートは巨大データベースをかなり前から所有しており、単なる小売店ではありません。データ企業といってもいいでしょう。単なる小売だけでは、ここまで維持できないと感じます。

米小売り、節約志向で明暗 ウォルマート5.7%増収:日本経済新聞

「優先順位を見極め、最も大切なものにお金を使う」。ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は17日の決算説明会で、消費者心理をこのように分析した。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73726460Y3A810C2TB0000/

まとめ

優先順位を深く考える消費者に対して、安売りだけでは通用しません。購入回数を減らしたいという気持ちも人にはあるからです。安いだけでなく、合わせて長く使える製品を選ぶ傾向にあります。それが「流行のない製品」へ集中する分野もあるでしょう。耐久性のある製品へ流れることもあるでしょう。そこが価格よりポイントになるのです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆