4勝198敗
なかなかハードなビジネスだと感じます。「4勝198敗」のビジネスについてです。ある製品の開発を世界中の企業が取り組みました。成功したのは4つだけ。他は198敗の失敗に終わっっています。大企業であっても失敗している分野です。でも、開発が成功すれば収益が大きいのでこれだけ各社が挑んだ結果なのです。日本の企業も成功した1社に入っています。製品は、「認知症の新薬」です。日本ではエーザイがアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を開発し、米食品医薬品局(FDA)から正式承認を取得しました。この「創薬」の分野は競争も激しいのですが、研究開発費を投資すれば新薬ができるという保証もない世界です。大手企業も創薬から一部撤退をすることもあり、動きの激しいビジネスだと感じています。それにしても202の新薬が申請されても4つしか承認をもらえないのはビジネスの厳しさを感じさせる一面です。
強みはここにある
研究や開発に関しては大企業は規模で進めていきます。規模でスピードを上げ、開発してしまう手法です。では、大企業以外は不可能なのでしょうか。規模では不可能ですが、他の面では大企業に勝る部分が開発にはあるのです。その点を開発します。
大企業がビッグサイトで行われる展示会を視察に来る理由がそこにあります。中小企業の中には、10年、20年かけて開発した製品が出てくるからです。通常なら採算度外視の開発期間をかけた製品であり、大企業からは出てこない製品といえるのです。経営者自身が開発する場合は、時間も労力も途方もなく投入するケースもあり、この部分では大企業は勝てません。そのため、一品ですが逸品が出現するのです。最近の事例だとハードロック工業株式会社が取り上げられるケースが多いです。緩み止めナットを製造している会社。過去では、「痛くない注射針」がよく取り上げられていました。
まとめ
こうした開発分野の競争は1人でも成立するので、熱意さえあればチャレンジすべきと考えます。特に、自分が時間を投入するだけならコストゼロなので、どれだけ投入しても問題ありません。そこが強みとなるのです。開発する環境や手配する資材や設備に関しても、簡単に手配できるようになっており、試作品の作成も以前よりハードルは下がっています。取り組みたい分野が出てきたときには遠慮なく取り組む領域だと感じます。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆