年齢別が減っている

消齢化という言葉があります。博報堂が名付けた言葉です。年代別でとらえていた消費者トレンドが少なくなっており、年代別で分類(セグメント)する意味が薄れていることを指しています。たしかに、アパレルを見ればわかりますが、ユニクロの服は「通貨」のように家族間で流通交換することがあるので、年代に関係なく着ているのではないでしょうか。ビジネストレンドでも、Tシャツにジャケットという服装が20代からシニアまでOKという雰囲気にもなっています。年齢が消える現象を「消齢化」と表現したのはわかりやすいと感じます。

世代を超えたトレンドとは

年齢に囚われずに商品やサービスを選ぶ消費者の動向である「消齢化」が私たちの生活やビジネスにどのような影響を及ぼしているのかを探ってみます。

1. 消齢化とは?

消齢化は造語で、従来の年齢に基づく消費の傾向から脱却し、年齢の差が消費結果に出てこない現象を指します。つまり、年齢だけでその人の好みや興味を推測することは当たらなくなっているのです。この年代はこうだ、といった消費指向が特定できにくくなっているのです。

2. 消齢化の背景

テクノロジーの進化からスマートフォンやインターネットの普及により、年齢を問わず多くの情報や文化にアクセスすることが容易になったのは大きいでしょう。多様な価値観を知り、従来の「年齢に適した」行動や選択ではなく、自分らしさを大切にする風潮が強まっていると解釈できます。こんなスタイルでもいいんだ、と納得するための情報もネットやSNSで探すこともできるので安心材料につながっています。同じような人がいるという安心感は消齢化を後押ししているのではないでしょうか。

3. ビジネスへの影響

セグメンテーションの変化により、従来の年齢や性別を中心としたマーケティングセグメンテーションから、趣味や興味、価値観を中心としたセグメンテーションへと移行しています。年齢に囚われない多様なニーズに応えるための新しい商品やサービスを開発することが命題になっており、年齢別、年代別といったセグメントを忘れる必要がありそうです。

まとめ

消齢化は、わたしたちの生活や消費行動の新たな側面を見出しました。ビジネスにおいても、このトレンドを取り入れた戦略やアプローチが求められています。それぞれの年齢に合わせた「正解」からの解放。それが、消齢化の持つ最大の魅力かもしれません。今後もこの傾向は続きそうです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆