コンテンツの価値

スマホがあれば録画、録音が簡単にできるようになりました。そのせいか、ビジネスにおいても簡単に「録画しますので」と言われるようになっています。簡単に言う人ほど、コンテンツを作成したことがないのだろうと勝手に予想したりもします。コンテンツは制作時間で価値を測定できないからです。画家のピカソの次のエピソードは真偽はともかくとして、価値について考えさせられます。街角でピカソを見つけたファンが「絵を描いてください。この紙に」とお願いしました。数十秒で描きあげた絵をピカソが渡すとき、こう言ったのです。「この絵は100万ドルです」。これを聞いたファンは驚き、「数十秒しかかかっていません」と言ったのですが、ピカソは「いいえ、30年以上かかっています」と伝えた、というエピソードです。この意味がわかる人はコンテンツの価値がわかる人であり、コンテンツを生み出す側の人でもあるでしょう。

プロへの報酬

以前、ある法律について調べてもらったことがあります。知り合いの方だったので、気軽にメールで依頼。すぐに答えてくれました。返答は、たったの1行。「その内容については、法的にはOKです」と答えていただいたのです。この後、対応が分かれると思います。たった1行の返答で、すぐに返信もくれたから時間はかかっていないだろう、と想像し、①今度食事でも、と伝えるケース。②謝礼のモノを贈るケース。③謝礼を支払うケースに分かれるのではないでしょうか。正解はありませんが、相手は法律のプロなので、知り合いであっても謝礼を支払う選択をすべきだと考えています。このケースのときも請求してもらいました。

新品を買え

書籍に関して、ある編集者の方の言葉が記憶に残っています。「プロの書き手なら、新品の書籍を購入すべき」と言っていました。これはビジネス上の問題でもあるのですが、中古本や図書館の本は読まれても著者に還元されません。印税が入らない仕組みになっています。だからこそ、プロならば新品を買うべきだ、となるのです。このあたりのこだわりは大事だと感じます。

まとめ

ただ、コンテンツ(制作物)の価値は将来的には限りなくゼロに近づきます。「昔は人が考えていたんだ(つくっていたんだ)」と語られるようになるのでしょう。代替するAIが進化するからです。実はすでに代替してしまったのかもしれません。あとは普及が始まるだけの段階に来ていると感じます。その次も視野に入れていますが、コンテンツの価値は過去の遺物となっているのでしょう。ちょうどその端境期がこれからスタートすると思います。賛否両論が渦巻く時期になると思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆