飲酒ガイドライン

厚生労働省のページに飲酒ガイドライン(案)が公開されました。飲酒ガイドライン作成検討会が行われており、その途中経過が公開されたのです。飲酒ガイドラインは、お酒に含まれる純アルコールの量によって基準を決めています。純アルコールの計算式は下記のような内容になります。

(お酒に含まれる純アルコール量の算出式)
摂取量(ml) × アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコール比重)
※ 例: ビール500ml(5%)の場合の純アルコール量 →500(ml) × 0.05 × 0.8 = 20(g)

基準値

ガイドラインでは飲酒量の基準値として、
・男性40g以上
・女性20g以上
と示しています。この値は、生活習慣病のリスクを高める量となっており、あくまでも案の段階です。海外でもアルコールのガイドラインは設定されているようですが、各国異なった量になっています。参考にならない様子ですね。

このガイドライン案ですと
・男性:ビール1000ccまで
・女性:ビール500ccまで
となるでしょう。缶ビール350ccだと男性3本、女性1.5本でしょうか。その程度と記憶しておくと良いのかもしれません。

参考となる飲酒量(純アルコール量)の数値としては、第2期計画や令和6年度から開始予定の健康日本21(第三次)において、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」として、
「1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上」
が示されています。

https://www.mhlw.go.jp/content/12205250/001169984.pdf

検討会参加者

ガイドライン作成検討会の参加者名簿を見ると、アカデミックな方ばかりで企業の関係者はいないようです。検討するメンバーによってガイドラインは変わると思いますし、最終的なガイドラインの基準が変わることもあるでしょう。

飲酒ガイドライン作成検討会 構成員名簿
秋山 美紀 慶應義塾大学環境情報学部教授
池原 賢代 大阪大学大学院医学系研究科特任准教授
小原 圭司 島根県立心と体の相談センター所長
久野 遙加 筑波大学医学医療系 地域総合診療医学助教
斎藤 トシ子 新潟医療福祉大学名誉教授
鈴木 眞理 跡見学園女子大学特任教授
高見 太郎 山口大学大学院医学系研究科教授
平井 啓 大阪大学大学院人間科学研究科准教授
松下 幸生 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長
森 千鶴 東京医療学院大学看護学科長

第5回飲酒ガイドライン作成検討会 資料(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000202961_00030.html

まとめ

飲酒のガイドラインができる背景には、アルコール度数が高い缶チューハイ(9%)などが販売され始めてから、「アルコール依存症」が増加しているのがあるのではないでしょうか。また、テレワークや外出規制のとき、アルコールに頼る人が増加したのかもしれません。在宅だと、アルコール量が減る人と、極端に増える人の二極化しているのは感じていました。今後は、飲酒自体の価値観が変容していく可能性もあると思います。飲酒がカッコ悪い行動だと思われる可能性も出てきました。今後の動向に注目です。

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