倒産急増
コンサル会社の倒産が急増中という記事が目に入りました。なぜ、コンサル会社が倒産するのでしょうか。普通ならば経営支援、経営アドバイスをする側なので、倒産するはずはないと感じるはずです。
今回の急増は明確な理由があります。2020年から2023年にかけて、国から補助金、助成金など、支援金が数多く出てきました。そのとき、本来のコンサル業務から、補助金、助成金などの書類作成支援へと業務をシフトさせていたコンサル会社が増えたのです。シフトさせたコンサル会社ほど、本業のコンサル業務が減少してしまい、現在倒産になってしまっているようです。中小企業診断士協会も当時この内容について危惧を表明していました。本来のコンサル業務が主であると公開していたのを覚えています。その危惧が倒産急増という形になって出てきたのです。
経営のプロ 「コンサル会社」 の倒産が急増
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198158_1527.html
コロナ禍では顧客の中小・零細企業はコンサルよりも政府や自治体の各種支援金への依存度を高めた。その結果、本来は企業が苦境に直面し、受注が促進される時期に仕事が減少する皮肉な事態となった。
経営の判断
たしかに、補助金支援のビジネスはチャンスでした。大きなチャンス到来を見逃すよりは、積極的に取りに行ったコンサル会社もあるでしょう。しかし、その反動は大きいはず。書類を10枚から20枚程度描くだけで数百万円の手数料を稼ぐビジネスだったからです。事業再構築などの補助金支援の手数料は途中から上限が設けられました。あまりにも手数料が高かったからです。
このチャンスに対して、逆に「補助金ビジネス(コンサル)は行わない」と決めたコンサル会社もありました。あえてチャンスを意図的に見逃す決断です。本業にこだわって仕事をする判断です。補助金支援のビジネスは一時的であり、永続的ではないと感じとっていたのでしょう。
まとめ
「補助金支援のコンサルはやらないですよね」と言われたことがあります。今回のチャンスもすべて意図的に排除しました。それが良かったかどうかは、まだわかりませんが、こうしたコンサル会社倒産急増にまでなるとは考えていませんでした。急激なピークには反動がある、という法則通りの結果なのかもしれません。
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