価値観形成要因

人の価値観は情報空間の体積によって決まってきます。よくわからない表現かもしれません。事例で解説します。人は生活しているとき、人付き合いが限定されます。時間と場所の制約があり、限られるのは普通です。移動しながら生活する人は現代ではほとんどいません。自宅があり、職場があり、休日の過ごし方があるくらいです。それ以外の付き合いは少ないのではないでしょうか。そのため、所属している人付き合いの空間で価値観が形成されています。これを情報空間と称しています。

職場という空間では、職場の価値観が絶対です。職場において、評価されることが高い価値になるのはその現象です。最終的には、評価や出世によってあらわされます。職場空間の中で、自分を高め、成長させる仕組みになっており、それが自分のためにもなるシステムです。

自宅や休日の人付き合いは、自由なので、自分の価値観と合う人たちと付き合うことになります。そのため、公平、平等な快適空間を選ぶことが多く、フラットな付き合いを求めているのではないでしょうか。これも、そのような空間に身を置くからこそ、フラットな価値観が形成されていると言えるでしょう。

搾取という視点

「搾取されている」という意見を持ち出す人がいます。これは、限定的な空間における搾取を主張しています。たとえば
・会社から搾取される
という意見もあるでしょう。その同じ人が、日本という空間においては
・政府から搾取される
となるのかもしれません。空間が大きくなっても同じことになります。しかし、地球という空間においては同じ人でも
・地球から与えられる
となるでしょう。地球の恵みを与えられる立場に逆転してしまいます。地球から搾取されている、と言う人がいるのでしょうか。あまり聞いたことがありません。このように、搾取という価値観も特定の空間における価値観だと感じさせる事例です。

ただし

ただ、大きな空間に身を置いているという実感はなかなか持てません。地球の恵みは当たり前であって、与えられているとは感じる機会が少ないからです。職場空間は毎日の時間を割いており、直接的に感じる内容なので、評価に一喜一憂することになるのです。現役で働いているときは、職場という空間に解いて成長を遂げるしかありません。

まとめ

こうした空間から形成される価値観を知っておくと、ビジネスにおいても有効です。マーケティングは顧客に情報空間を構築する作業とも言えるからです。ただ、極端に疲れてしまうようであれば、客観的に見ることをお勧めします。その点、大人は空間を選択する自由度が高いのですが、こどもは空間選択の自由度があまりありません。こどもの問題は、空間選択の自由度の低さだと感じることがしばしばあります。

これからの時代、二拠点生活がおすすめなのは、複数の空間に所属することで人生の幅が広がる可能性が高いからです。豊かになる可能性が高くなるのです。そう考えると富裕層ほど、二拠点、三拠点生活を実践しています。複数の空間を持つ豊かさがあるのでしょう。

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