方向転換

フランスやイタリアは電気自動車を推進してきました。日本のハイブリット車に対して脅威を感じていたからだと言われています。ハイブリット技術はトヨタ自動車が開発しましたが、技術内容は公開しています。ハイブリットを広げるために公開に踏み切った歴史があります。しかし、ハイブリットの波には乗らず、電気自動車を推進する決定をしたのがフランスなどです。しかし、実際には中国製、アジア製の電気自動車がフランスやイタリアで普及してしまい、当初の意図から外れてしまいました。その結果、アジア製の電気自動車を「補助対象外」にするルールチェンジを行うのです。対応が後手になっていますが、欧州らしい決断であり、進め方です。状況がわるくなればルールを変えてしまえばいい、と考えているのです。

こうした現象は、自動車だけにとどまりません。GAFAと呼ばれる米国のビッグ・テック企業に対しても欧州では「規制」を行い「巨額罰金」を要求したりしています。それだけ技術力が劣り、取り残されている現状なのかもしれません。

EV保護主義、欧州で拡大 中国依存低減図る
フランスやイタリア、アジア製を一部補助対象外に

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76825300Z01C23A2EA5000/

ルールチェンジ

国が諸外国に対して行うルールチェンジの事例について振り返ってみると、以下のような事例があります。

  1. 環境保護
    持続可能な社会への移行を促進するために、政府は環境保護に関する規制のルールチェンジを行っています。例えば、再生可能エネルギーの促進や二酸化炭素排出規制の厳格化などです
  2. インダストリー5.0(第5次産業革命)
    これは規制ではありませんが欧州委員会が発表した産業革命の方針です。欧州が主導権を握りたいという意思表示だと解釈しています

上記の他にもルールチェンジは数多く見受けられます。スポーツの世界もいきなりルールが変更になることがありますが同じような現象だと考えています

まとめ

ルールチェンジは裏を返せば「主導権」を誰が握るのかの競い合いです。ルールを変更することで主導権を握ろうとしています。しかし、すべてがうまくいくとは限りません。ただ、頻繁にルールチェンジは行われていると感じます。こうしたルールチェンジの影響は限定的ですが、影響がないとは言えないので、定点観測が求められるところでしょう。自動車産業にとって、電気自動車の普及は誰も主導権を握っていない状態なので、今後も注目です。二転三転すると思われます。

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