誤解だらけ、

2021年ごろから「心理的安全性」という言葉が流行り始めました。組織における心理的安全性が欠かせないと提唱されたのです。しかし、心理的安全性という言葉の誤解から、本来の意味が理解されていない状況もあるようです。誤解が生じているのです。

よくある誤解と言えば、
・優しくする
・仲良くする
・環境を整える
などのような形にとらわれてしまっています。本当の心理的安全性と言うのは、組織において、「建設的な反対意見を言っても、大丈夫な組織」という意味です。実現するには簡単ではなくハードルの高いことです。

それを表面的に導入するだけで心理的安全性を実現したと感じているチームもあり、その点について誤解が生じていると解説している人たちも出てきました。

中原教授:(心理的安全性とは)「何を言っても、人から干されない、刺されない、つまり除け者にされない」ということ

https://corp.en-japan.com/success/35034.html

意見が言えない

とかく、ベテランのスタッフがいる組織では、若いスタッフから建設的な意見が言えないケースがあります。ベテランスタッフの意見が必ず通ってしまうことがあるのです。

心理的健全性があるチームでは、「それ、おかしくないですか」と発言できるのです。若いスタッフから疑問を投げかけても、そのスタッフが抑制されず、意見を受け入れてもらえ、ある程度認められることが、心理的安全性と言えるのです。

許容範囲

もう少し別の言い方をすれば、組織の許容範囲とも言えるのではないでしょうか。心理的安全性の高い組織においては、建設的な反対意見を述べても、それを受け止めてくれるリーダーやベテランスタッフが必ずいるものです。

意見の違いから揉めることはあっても、必ず着地点を見つけられるのです。意見の相違に関しては、日本人は自分の人間性を否定されたと捉えてしまうことがあるので、その誤解も解きながらうまく意見交換をしていくことがここではポイントになります。そのためのファシリテーターは欠かすことがでいません。この役割の人がチーム内にいるのか、いないのかは大きな違いとなるでしょう。地味ですが大切なポジションです。

まとめ

何事においても、新しいことを組織に定着させるときには、真の理解を得てから導入することをおすすめします。形だけ表面的にコピーしても、本来のゴールには到達しません。心理的安全性に関しても、実現できれば組織は大きな成功を残すことできます。しかし簡単に導入できないのも事実です。時間がかかっても良いので、本来のゴールに向かって、着実に心理的安全性を育むことだと感じます。

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