イメージできない
今後の世の中は、金利のある世界に、と言われていますが、実際にどの金利がどこまで変化するのかイメージがつきません。20年間金利がほとんどない世界で生きてきたので、忘れてしまっています。忘れると情報不足になり、金利のある世界が想像できないのです。
シミュレーション
そんな中、シミュレーションのデータが公開されています。日銀が目標としている2%物価の安定した実現を想定した場合の諸々に金利をシミュレーションしているのです。下記がそのデータ抜粋になります。政策金利は2.8%まで上昇すると予想しています。ここは、意見の分かれるところで、とある大学教授は2.2%ぐらいではないか、と予想していました。前提が違うとシミュレーションの数値も変わると思いますが、今回のシミュレーションは、2.8%が基本になっています。
2023年度 | 2026年度 | |
政策金利 | ▲0.05% | 2.8% |
長期金利 | 0.7% | 3.5% |
預金金利(普通) | 0.001% | 0.4% |
預金金利(10年定期) | 0.4% | 2.5% |
住宅ローン金利(変動) | 0.3% | 4.0% |
住宅ローン金利(固定) | 1.8% | 4.8% |
企業:負債利子率 | 1.0% | 3.6% |
企業:資産利子率 | 2.9% | 4.4% |
気になるところ
期になるところは、預金金利やローン金利になるでしょう。預金金利は現在が低すぎるので、増加%は大きくなりますが、定期預金でも4.0%程度です。住宅ローンは変動も固定も4%台になっていきます。こうなったらインパクトは大きいでしょう。2年後3年後にそうなると思うと、かなり住宅関連の業界はビジネスプロセスを転換させることになると感じます。
企業の負債利子率も3%台まで上昇すると予想しています。これもコストアップの要因のひとつになるので、企業収益を現在よりアップさせなければなりません。2年間、3年間かけて収益率を上昇させる取り組みが急務です。
まとめ
金利が上昇すると運用しているお金は増加します。その一方で、借りているお金の利子も増加します。日本全体でプラス・マイナスを合計すると金利上昇によって若干のプラスになると試算しています。ただ、ミクロの領域を見れば、プラスだけの人(企業)、マイナスだけの人(企業)に分かれていきます。そのため、時間がある今のうちから準備しておきたいところです。
——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳