コミュニケーションの重要性
ある企業の体験談が、ビジネスコミュニケーションの重要性を浮き彫りにしています。そんな事例を耳にしました。長年の取引関係にもかかわらず、その企業は取引先に対して、いきなり値上げを伝える一通のメールを送ったそうです。この単純な行動が、意外なほど大きな影響を及ぼしてしまったのです。どうして、そうなるかを予想できなかったのか。不思議なのですが実際に起こったことです。
突然の値上げ通知と顧客の反応
長年の取引関係にある顧客企業は、この突然の値上げ通知に驚き、不快感を覚えました。一般的に、値上げはデリケートな問題であり、特に長期にわたるビジネス関係においては、適切なコミュニケーションが求められます。しかし、たった一通のメールでこのような重要な情報が伝えられたため、顧客企業は取引先の変更を検討し始めました。たしかに、そうなるはずです。「言ってくれればいいのに」と感じたはずです。そんなメールで終わらせる関係ではなかったはず、と思ったでしょう。
送付した企業にとっては、取引先数が多かった可能性もあります。もしくは、会社内で一斉メールを送付する手配をしてしまったので、担当者に確認が遅れたのかもしれません。メールを送付してから、担当者が訪問し説明する流れでOKした企業もあるのではないでしょうか。
問題は、どの顧客も同じ対応をしたことにあります。1度の取引しかない顧客ならメール送付で終わらせても問題がなかったかもしれません。しかし長年のお付き合いがある場合は違う対応が必要だったと感じます。
長期的な損失のリスク
この事例は、ビジネスにおけるコミュニケーションの方法が、長期的な顧客関係にどのような影響を与えるかを示しています。一見ちいさなコミュニケーションのミスが、長年の顧客を失う結果につながり、それは一年だけの損失ではなく、今後数年、場合によっては数十年にわたる損失に発展する可能性があります。金額換算したら、とんでもなく大きい金額になってしまうでしょう。将来価値をすべて吹っ飛ばしてしまうからです。
まとめ
ビジネスにおけるコミュニケーションは、特に価格変更のような敏感な話題を扱う場合、慎重に行う必要があります。企業は、長期的な顧客関係を維持するために、適切な方法でコミュニケーションを取ることの重要性を認識し、実践するべきです。しかし、組織だと一斉メールを送付する担当者が違うケースがあります。そのためこのようなミスが発生するのでしょう。しかし、単なる一通のメールが引き起こす損失は、時に計り知れないものになり得ます。組織の課題としてとらえ、仕組みとしたい部分です。
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