変動金利のリスク

最近の報道で、変動金利による住宅ローンのリスクが新たな視点から取り上げられました。4000万円を35年で返済する場合の金利上昇シナリオにより、返済額の変化が具体的に示されています。当初0.4%の金利が段階的に上昇し、最終的に2.4%に達した場合、毎月の返済額の内訳が大きく変わることが明らかになりました。

4000万円を35年返済で借りる場合
当初の金利を年0.4%とすると、最初の見直しまでの5年間の毎月返済額は約10.2万円となる。
1回目の返済では約8.9万円が元金、約1.3万円が利払いに充てられる。
仮に半年ごとに適用金利が0.5%ずつ4回上がり、金利が2.4%で高止まりしたとする。
(中略)2.4%に達した時点で返済額10.2万円のうち7.7万円が利払いに充てられ、元金の返済には2.5万円しか回らない。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77983070W4A120C2PPM000/

金利上昇の影響

当初は元金の返済が中心であった返済額が、金利が2.4%に上昇した場合、利払いが大半を占める構造に変化します。具体的には、毎月の返済額10.2万円のうち、7.7万円が利払いに、残りの2.5万円のみが元金返済に充てられるようになります。これは、住宅ローンを組む際に多くの借り手が想定していないシナリオかもしれません。一気に金利上昇した場合は支払額が変わらなければ元金返済は返済額の25%しかないこともありうるのです。

リスクの可視化

これまで、変動金利のリスクについて多くの警鐘が鳴らされてきましたが、具体的な試算をもって可視化されることは稀でした。この報道は、金利上昇が返済計画に与える影響を明確にし、借り手にとって非常に現実を直視する事実を伝えていると思います。金融機関によっては変動金利の住宅ローンの支払いが5年間の一定ではなく、その都度返済額が変化するローンもあり、金利上昇局面にはすぐに対応が迫られるでしょう。

金利上昇への備え

住宅ローンを利用する際、金利上昇の可能性を考慮し、シミュレーションを行うことが重要です。特に、返済期間内に完済が困難になる場合、最終的に残る借金を一括で返済する必要が生じる可能性があるため、リスク管理の観点からも慎重な計画が求められます。余剰資金の確保も最近では言われるようになりました。しかし、余剰資金がないから住宅ローンを借りる人もいるはずなので、リスクは大きくなるばかりです。

まとめ

変動金利の住宅ローンを選択する際は、金利上昇による返済額の増加と、それに伴う返済計画への影響を十分に理解し、将来の不確実性に備えることが必要です。この報道は、金利変動リスクへの認識を新たにし、より賢明な住宅ローンの選択を促すものとなります。この記事でも2.4%まで上昇した場合のシミュレーションが出ていますが、そこまで上昇する可能性が高くなったことを示唆しています。可能性が高いことは意識しておきたい部分です。

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